> >

「ゲシュタルト崩壊」とは何を意味するのか?

ゲシュタルト崩壊

「ゲシュタルト崩壊」というキーワードを聞いたことがあるでしょうか。
近年では、ゲームや漫画に登場するキャラクターや競走馬の名前などにも、しばしば採用されるくらいに使用頻度が上がってきているものの、まだまだ「一般的に使われているとはいえないカタカナキーワード」のひとつかと思われます。
しかしこの「ゲシュタルト崩壊」というキーワードの意味するところは、結構高い頻度で、日常的に私たちが体感している現象を指しているのです。
ここでは、「ゲシュタルト崩壊」が何を意味しているのかを解説していきます。

スポンサードリンク

 

 

もとはドイツ語

「ゲシュタルト崩壊」の意味を掘り下げていく前に、「ゲシュタルト」という言葉そのものの意味を調べてみると、言葉の響きのイメージのとおり、もとはドイツ語であり、「形」や「状態」をあらわしている、といいます。

ゲシュタルトとは、人が何かを見た場合に、対象となっている「何か」を構成するパーツや部品の総和としてではなく、合体している全体の構造そのものを「何か」と認識する、という現象や概念を指しています。

単純な例をあげれば、タイヤやボンネットやフロントガラス、ドアなどから構成されている現代の車は、一目見ただけで全体感として「車である」ことを誰もが認識するかと思いますが、部品やパーツの総和として「車」ができあがっているのではなく、「車」という全体イメージが先に認識されて、対象が「車」であることがわかる、という感じでしょうか。

 
ひらたくいえばゲシュタルトとは、車特有の特徴を備えた「全体性」や、形や大きさ、および象徴的なパーツなどの「構成」要素から、対象物を特定する習性、ともいえそうです。

 

 

ゲシュタルト心理学

車の例をあげてお話ししましたが、多くの人々が認識しているとおり、人間の脳や精神の働きは、車などの工業製品の比ではないくらいに重層的で、非常に複雑な認識機能を持っています。

 
ふたたび車の例に戻ると、全体感として「車である」ことを認識したとしても、そのときたまたまタイヤに非常に興味があった場合には、車という総体の中でも、タイヤが意識の中心となります。
こうした場合には、タイヤに視覚や意識がフォーカスされますので、その状態で「車全体」を見た場合、もともと認識していた「車の姿」とは違った認識を覚えるようになります。

 
当然ながらこれは人間の意識の動きにおける変化であり、対象物として目の前にある車には、なんら変化は起きていません。
このあたりの「意識の変化」や「変化が生じていく様子」をもって、「ゲシュタルト崩壊」は語られています。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.