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伯耆の国(鳥取県)にあった、日本最古と言われる鬼退治伝説!!

伊勢神宮
 
鬼退治の桃太郎物語のルーツとして有名なのは、岡山の吉備地方に伝わる吉備津彦命(キビツヒコノミコト)と温羅(ウラ)の伝説ですが、この鬼退治伝説は実は日本各地に存在します。それらの伝説のなかで、日本最古と言われるものが伯耆の国にあったとされているのをご存知でしょうか。

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伯耆の国は大国主命(オオクニヌシノミコト)とイナバの白ウサギの神話で有名な因幡の国とともに現在の鳥取県にあった古代の地方ですが、神話や伝説の宝庫として有名な出雲の国(現在の島根県)に古代の文化は近いとされています。
この伯耆の国の日野郡溝口村(現在の伯耆町)というところに鬼住山という山があり、この山を舞台として日本で最も古い鬼退治の伝説があるのだそうです。

 

孝霊天皇の鬼退治伝説

鳥取県西伯郡伯耆町に「楽楽福神社(ささふくじんじゃ)」という、ちょっと珍しい名前のとても古い神社があります。主神は孝霊天皇で、創建は千数百年以上前と言われています。

ちなみに「ささふく」という名称は、笹で屋根を葺いたことから「笹葺く」がもととなった説や、古代には砂鉄を「ササ」と言い、それを吹く(フク)「たたら吹き」の製鉄に関連する名称であるという説などがあります。
この楽楽福神社のご祭神である孝霊天皇が伯耆の国に来た時に、鬼住山に鬼の兄弟を頭とする鬼の集団がいて人々を大いに悩ましているということを聞き、退治したというのが孝霊天皇の鬼退治伝説です。

孝霊天皇の軍勢はまず鬼住山の隣にある笹苞山(さすとやま)という山に陣を築いて、地元の人たちから献上された笹巻き団子を3つ置いて鬼たちを誘い出すことに成功し、鬼の兄弟のうちの弟の乙牛蟹を倒します。しかし兄の大牛蟹は激しく抵抗したので、闘いは膠着してしまいます。

孝霊天皇は「笹の葉を刈って山のように積み上げれば鬼たちは降参する」という霊夢を見ます。そしてそのようにすると、笹の葉は鬼住山に飛んで行って鬼たちの身体にまとわりつき、孝霊天皇の軍は笹の葉に火をつけて勝利を収めます。敗れた大牛蟹は命乞いをし、天皇の配下となって北の守りとなることを約束したといいいます。

 

最古の鬼退治は1800年前!

孝霊天皇は、欠史八代と言われる「古事記」や「日本書紀」には登場しますが、その事績が記されていない8人の天皇のうちのひとりで、その実在ははっきりとはしていません。しかし、岡山の桃太郎のモデルとされる吉備津彦命の鬼退治が、同じ欠史八代の最後の崇神天皇の時代の伝説とされているのに比べ、孝霊天皇は崇神天皇の三代前の天皇ですから、まさに日本最古の鬼退治伝説と言えるでしょう。仮に孝霊天皇の時代を3世紀初めの頃とすると1,800年近くも昔の伝説ということになります。

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