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ゲシュタルト崩壊のメリットとデメリット

ゲシュタルト崩壊

1940年代、ドイツの神経学者であったというC・ファウストという人物が、失認症のひとつとして報告したことが最初であるという「ゲシュタルト崩壊」という現象なのですが、この現象は、特に病気を抱えた状態の人だけに起こることではなく、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、どれにも異常がない状態であっても起こりうる事象として知られています。

 
人間の頭のなかや思考そのものに関連する出来事であるといえ、そういった意味では、未だ完全にはその謎は解明されていないものです。
とはいえ病気などではなく、かつ比較的手軽に体験することもできるので、有効活用することは可能なのか、また危険な要素はあるのかないのか、考えてみる価値はありそうです。
ここでは、「ゲシュタルト崩壊」のメリットとデメリットを掘り下げていきます。

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なぞなぞやゲームのような感覚

美術のジャンルの中で、世界中でだまし絵が親しまれているように、錯覚的な側面を持っている「ゲシュタルト崩壊」は、エンターティメントの側面をもっていることがメリットとして考えられます。

 
なぜ錯覚やゲシュタルト崩壊が起こるのかは定かではないものの、ゲシュタルト崩壊を体験したあとには、謎解きにも似たある種のエンターティメント感を感じる方も多いことでしょう。

 
ゲシュタルト崩壊が起こるメカニズムは、完全には解明されていないので何とも言えないところはあるものの、既視感(デジャヴ)や未視感(ジャメビュ)といった概念も、思考の中の誤認識のひとつによって起こる現象として、ゲシュタルト崩壊に近しいものではないでしょうか。

 

 

音についてのゲシュタルト崩壊

また、聴覚に関して起こるゲシュタルト崩壊では、「ひとつの塊の音が、音を構成するばらばらの要素に分解され、もとの塊との差別化が、脳と耳の中で進む」という事象なのですが、これについては、日本人は昔から慣れ親しんできた可能性があります。

 
たとえば俳句や短歌に出てくる季語、虫の声など、聴覚が感じる物理的な音としては、無限に存在しているにも関わらず、それらの中のいちパーツとして季節の「何か」をあらわす音を抽出し、それらに特化して聞くことができる、というものです。

 
日常生活でいえば、例えば夏なら、花火の音と蝉の声、お店の呼び込みの声、雑踏での歓声などがより分けられて聞こえ、それ以外の要素(車の音や風の音、工事の音など)は気が付けば聞こえなくなっている、という体験を知らず知らずのうちにされている方も多いのではないでしょうか。

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カテゴリ: その他

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