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薔薇十字団と錬金術師パラケルススがホムンクルスを作成した理由


 
中世ヨーロッパの錬金術師パラケルススが、人造人間ホムンクルスを作成する際に協力を得ていたという中世ヨーロッパの秘密結社、薔薇十字団は、錬金術が標榜している「卑金属を貴金属へ変える」ことよりも、「完全な人間を作る」、つまり「ホムンクルス作成」のほうに力点を置いていたとされています。

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薔薇十字団と錬金術師の関係

17世紀のヨーロッパでは薔薇十字団に関する怪文書が出回ることが多かったらしく、よく知られたところでは、1623年にフランスはパリの街中に薔薇十字団をたたえる貼り紙が一夜にして貼られる、という出来事があったそうです。

当時の薔薇十字団は、錬金術師や魔術師がヨーロッパを中心とした地域において、相互の情報連携をスムーズにおこなうための組合のような組織であったといいます(中世ヨーロッパ当時の商工業者の間では、ギルドという職業別組合が組織されてたのですが、錬金術師にとっての薔薇十字団は、ギルドに倣って作られたもの、と思われます)。

その後薔薇十字団は半ば伝説化し、世界各地に薔薇十字団を名乗る団体や、団員を自称する人物が名乗りを上げるようになり、現在においてもそのような状況が続いている、とのことです。

 

薔薇十字団の目的は?

このような不可思議かつ謎の組織である薔薇十字団が、パラケルススのホムンクルス作成に関わっていた真の理由とはなんでしょうか。それは、当時の薔薇十字団が残した貼り紙や文書などから推測すると、「不老不死の実現」、「あらゆる病気を治す万能薬の開発」を目指していたもの、と思われます。

ホムンクルスが実在する、つまり「人間の手によって、人間を作り出すことができる」ならば、ゲームのリセットや、不要物の投棄のような感覚で、「人間の改善、作り替え、寿命のコントロール」をも可能となる、と考えたのではないでしょうか。

不老不死の実現には、まず生命の本質的な部分(だれが何のために、どうやって人間を発生させたのか、それが神であるならば、神はどこに存在しているのか、等)を解明しなければならず、これを知るために、逆説的に人造人間=ホムンクルスの作成を目指した、と思われます。

多分に宗教的哲学的な問いを含んでいるものの、これらを組織的に、ひいては社会全体の問題として、科学的実践的なアプローチで解明しようとしているところに、錬金術という概念の他にはないユニークさがにじみ出ている、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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