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ミイラの作成と保存方法に関わったアレキサンドリアの錬金術とは

王家の谷
 
現代ではオカルティズムの一種として認識されている錬金術は、数々の映画や小説で題材として取り上げられているように、今でも世の人々の好奇心や想像力を掻き立てる存在として、機能し続けています。

そのルーツは、紀元前の昔にまでさかのぼるもの、といわれています。アレキサンドリアの錬金術は、現在確認されている最古の錬金術として、紀元前100年頃から紀元600年頃までの間、エジプト界隈で栄えたもの、とのことです。

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錬金術の言葉の根拠はアラビア語?

錬金術という言葉は、英語でいうと「アルケミー(Alchemy)」なのですが、その語源はアラビア語の「アルキミア(al-kimia)」だという説があります。日本語に直訳すると、「黒い大地」という意味なのですが、豊かなナイル川周辺で反映していた紀元前のエジプトこそが「黒い大地」であり、この地に生まれた錬金術の語源となっているのではないか、とのことです。

この説は、紀元前300年頃にアレキサンドリアの地に建てられたという世界最古の図書館、「アレキサンドリア図書館」の蔵書から推測されたもので、蔵書の数はおよそ70万冊以上、その内容も、古代ギリシャの数学者アルキメデスやエウクレイデスの著書などをはじめとした、今も名を残す高名な知識人による著書が中心であり、いわば世界中の叡智の結集ともいえるような蔵書の中に、錬金術関連に分類されるような内容の著書も含まれていたことに由来しているようです。所蔵している文献は大部分がパピルスでできた巻物であったそうです。

 

錬金術研究から派生した意外な技術

錬金術とは、「卑金属を貴金属へ変化させること」や、「人間を不老不死の存在に変化させること」を目的に研究され、のちに中世ヨーロッパでも一部で大流行することにもなるのですが、錬金術というキーワードはオカルトの分野に変化してしまってはいるものの、現代でも前述の錬金術の二つの命題については、医学や物理学の世界で、本格的な研究が継続されているといっても過言ではありません。

紀元前のアレキサンドリアの地でも、現代と同様に、おおまじめに二つの命題の実現が試みられていました。そんな中で、現代でもよく知られている、とある技術が思いがけず発明されたのです。これが、ミイラの作成と、長期にわたる保存の方法でした。錬金術の二つの命題のうち、「不老不死の実現」というテーマの中で、人体のミイラ化と保存方法が発明されたのです。この事実は、当時の宗教観とも切り離しては語れません。

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カテゴリ: その他

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