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オーパーツ「ネブラ・ディスク」完成までの変遷


 
ドイツはザレ(またはハレ)にある、州立先史博物館所蔵のネブラ・ディスクは、1990年代に盗掘によって発見された後、骨董業者間で流通される時代を経て、考古学者や歴史学者など専門家の鑑定により、歴史的な価値を見出され、今では世界記憶遺産に登録されている、現代における代表的なオーパーツのひとつです。約3600年間前に製作されたというネブラ・ディスクは、大きくは5つの変革の時代を経て、約3600年前に地中深く埋められた、とされています。

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初期に描かれたのは満月と三日月と星

ネブラ・ディスクを巡る5つの時代は、製作後埋められたとされる、約3600年前よりも以前に築かれたもの、と考えられています。5世代の変革を経由した末に、王侯貴族の遺物として埋められ、青銅器時代の終焉と共に、発掘された1999年まで、地中に眠り続けていた、と思われます。よって、初期の製作は埋められる以前の時代である、と考えられていますが、記録は残っておらず、変革の時期は明確には判明していません。しかし、出土したネブラ・ディスクの(金属加工という観点での)物理的な変化から、少なくとも5つの時代を経由したのではないか、と考えられています。もともと製作された時期には、満月と三日月と星が描かれていたのではないか、といわれています。

 

最初期は装飾品だった?

この時代のネブラ・ディスクは、一見装飾品のようにも解釈できます。しかし、この時点で、既に太陽暦と太陰暦を合わせる方法を提示できていたのではないか、と思われます。なぜならば、およそ1000年後の古代バビロニアにおいて、同様の法則が引き継がれていることが確認されているからです。ネブラ・ディスクは、最初期においても、既に天文学的な価値を持っていたのではないか、ということが考えられます。

 

アークの時代から小舟の時代へ

その後、何年後かに、円盤の両側に、アーク(円弧)が描かれています。この際に、もともとあった星の一部が隠されたり、移動されたりした、と思われます。このアークは、太陽の軌跡を示している、と考えられています。アークの上下には点が描かれ、上の点は夏至の時、下の点は冬至の時のの時の日の出と日の入りをあらわしています。ちなみにアークの角度である82度は、発掘されたネブラ地域の緯度に見られる太陽の軌跡の角度と一致しています。 このことから、ネブラ・ディスクが作られてから、埋められる以前の変革期においても、この地で加工がなされていたことを示している、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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