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最後の秘儀伝承者!?錬金術師フルカネリが主張するもの


 
20世紀に入ってから、『大聖堂の秘密(1926年)』と、『賢者の住居(1930年)』というふたつの著書を発表し、現代において新たな錬金術の解釈を示したフランスのフルカネリという人物は、「最後の錬金術師」という異名を持ち、著書が多大な影響を及ぼしているにもかかわらず、その正体や人物像は謎に包まれたまま、こんにちに至っています。

彼の主張における最大のミステリーは、「ゴシック建築の彫刻に隠された、錬金術の極意の真偽」です。

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錬金術の秘儀伝承者?

中世ヨーロッパの時代に大流行した錬金術は、錬金術師という新たな職業(または宗教)ジャンルを生み出し、多くの錬金術師がヨーロッパを中心に存在していました。しかしその多くは、錬金術がもともと持っていた一種の「胡散臭さ(卑金属を貴金属に変えたり、不老不死を可能なものとして提唱したりしていたため、当時の人々から宗教的な意味合いで畏れられている一方で、「詐欺師」や「まやかし師」といった評価を下される者も数多く存在していました)」がもとで、21世紀の現代においては、ほとんどが淘汰されている、といえる状況です。

キリスト教やイスラム教が全世界で浸透しているものの、ヘルメス思想を大々的に前面に押し出しているような宗教は存在せず、また卑金属を貴金属に変えるような技術についても、未だ実現には至っていません。このような状況下、フルカネリは「錬金術の秘儀伝承者」として、未だ一般的に公開されていない錬金術師の奥義の、唯一の伝承者である、というのです。

 

フルカネリの主張

「卑金属の貴金属化」と「不老不死の実現」という、錬金術におけるシンボリックなふたつの課題は、大方の人々が「実現できないもの」、つまり常識的ではなく、非常識な事象としてとらえています。しかし、フルカネリによれば、現在の状況は「錬金術の奥義が、一般公開されていないため」におこっており、公開すれば、錬金術が常識的な事象に変化する、と説いています。

まさに中世の錬金術師的な、ややもすると「まやかし師」的な主張である、という評価をしてしまいがちなのですが、錬金術というジャンルの研究が、日本ではそれほど真摯に進められていない(もしくは研究が進められている可能性はあるものの、一般的に公開はなされていない)ことを考えると、あながち全否定できるものでもない、ともいえます。

海外ではフルカネリに関する研究を進めているような学者もある程度いるとのことで、現在も研究は継続されているそうです。彼らの説によると、フルカネリの正体として、10人ほどの候補が上がっている、とのことです。

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カテゴリ: その他

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