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サイコメトリーとメスメリズム:メスメル氏は催眠療法の元祖

サイコメトリー

 

19世紀にその概念が発見され、現在さまざまな媒体で取り上げられているサイコメトリーは、アメリカはケンタッキー州の医師であるジョセフ・ローデス・ブキャナン氏によって命名されたという説が有力です。しかしブキャナン氏は、何もないところからサイコメトリーを生み出したわけではなく、19世紀当時において、そもそもこの不思議な能力に関連する研究や実験が、多様なアプローチでおこなわれていたのです。そのうちのひとつに、メスメリズムというものがあります。

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暗示は神経に直接影響を及ぼす

ブキャナン氏がサイコメトリーを発見した際におこなった、学生を対象とした実験では、「中身を知らせていない薬剤を服用せずに、紙に包んだ薬剤に触れさせるだけで、薬剤の効用があらわれる被験者がいた」ことを確認しています。
これは、「車酔いの性格を持つものが、車に乗ると聞いただけで気分が悪くなる」という例があるとおり、こんにち一般的にいわれている「人間の暗示の力は、神経系統に直接影響を及ぼすものである」という医学的な事象例に当てはまります。サイコメトリーが命名された19世紀当時も、この分野の医学的な研究は既におこなわれていました。サイコメトリーは、こういった時代背景の中、派生的に生まれてきた概念なのです。

 

 

現在でもポピュラーな催眠療法の元祖

暗示の力に関連して、人間には自律神経が存在していることがわかっています。自律神経は、人間が生物として生きていくために、無意識のうちに心と体の機能のバランスを取るために常時働いています。
自律神経には、交感神経と副交感神経という二種類が存在し、前者は緊急時やストレスがかかった際に働き、後者は心身を休息させたり、メンテナンスをおこなったりする際に働く神経になります。こういった神経の存在と、これに関連した暗示の力を利用した催眠療法が、18~19世紀時点で既におこなわれていたようです。

 
これがメスメリズムという方法で、18世紀のドイツの医師であったフランツ・アントン・メスメル(1734~1815年)が提唱したものである、といわれ、その療法の名称の一部にもなっています。メスメリズムは、現代もおこなわれている催眠療法の元祖であるともいわれています。メスメル氏がおこなっていたメスメリズムは、その後19世紀になってジェイムス・ブレイド(1795~1860年)に引き継がれ、こんにちの催眠術や催眠療法の基礎として発展していくこととなります。

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カテゴリ: その他

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