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クルナ村~エジプト・王家の谷の入口に位置する悪名高き集落

ピラミッド
 
エジプトはルクソールを流れるナイル西岸からおよそ4キロメートル離れた地域に、古代エジプトの王が数多く葬られている場所である、王家の谷が存在しています。この王家の谷は、その目的からネクロポリス(死者の都)ともいわれていて、現在発見されている墓の数は、60基以上にのぼります。この王家の谷のすぐ近くに、クルナ村という集落が存在します。

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盗掘者が作った村?

ルクソールにある王家の谷のすぐ近くには、一見ピラミッドにも思えるような大きな岩山があり、その名をエル・クルン山といいます(尖った山頂やその大きさ、規模など、古代エジプト人がピラミッドをイメージしたことが良くわかるビジュアルです。ちなみにピラミッドは、古代エジプトにおいて、王家の谷の岩窟墓より前の時代に作られていました)。エル・クルン山を臨む王家の谷から、山を挟んで反対側にあたる場所、ここに悪名高きクルナ村が存在しています。クルナ村は、かつて墓荒らし、つまり盗掘者によって作られた村である、といわれています。

 

収入源は財宝やミイラ?

クルナ村は、現在は観光地として普通の人々が暮らしているようですが、過去には盗掘や墓荒らしをおこなう人々が数多く暮らしていた場所とされていて、墓の上に集落がある(または村の中に墓がある)、といった位置付けになっている村です。住居には、墓とみまがうような岩窟型のものが多数あり、中には実際に古代の王家の墓とつながっていて、倉庫などに使用している住居も存在しています。

一説によると、いまも一部の住民が、墓にある物品やミイラを売って生計を立てている、ともいわれています。このような人々にとっては、墓にある財宝やミイラは、生活のための貴重な資源になっている、ともいえます。

王家の谷にある岩窟型の墓(岩を削った横穴を墓にしている)は、もともとはその前の時代のピラミッド型の墓に盗掘が相次いだことから考案された墓の形であったのですが、そのうえに盗掘者が住居を作って生活する、という事態が起こってしまったとは、なんとも皮肉なものです。

 

立ち退き政策は未だ進まず

エジプト政府は近年、盗掘者対策だけではなく、現代的な建物や設備をすべて排除して、古代からある考古学的な観光施設にすべく動いていて、立ち退き等も検討している、とのことなのですが、この件はさまざまな方面で論争を呼んでおり、未だ解決には至っていないようです。実際に長年住み着いている人々も多いというこの村の取り扱いは、簡単に解決しそうもない、と思われます。

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カテゴリ: その他

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