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王家の谷の岩窟墓につけられたナンバリングKVとは?

王家の谷
 
古代エジプトの王家の墓が多く作られている、エジプトのナイル川周辺にある王家の谷は、1979年に「古代都市テーベと、その墓地遺跡」の名称で、世界遺産にも登録されている、世界的に貴重な遺跡です。岩山に横穴を掘って作られているこの岩窟墓群には、KVなる番号がナンバリングされています。この番号は、何を意味するのでしょうか。

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KVが意味するものとは

KVとは、Kings Valley、つまり日本語で「王家の谷」を意味する英語の略になります。王家の谷の岩窟墓は、長年学術的な調査が続けられていますが、調査の着手が古い順に、KVのナンバリングがなされています。その数およそ60程度あり、現在発見されている岩窟墓には、基本的にこのKV番号が割り振られています。

 

記念すべきKVナンバー1はラメセス7世の墓

前述のように、KV番号は学術調査着手がなされた順に割り振られているのですが、その記念すべきKV番号第1号は、ラメセス7世(ラムセスと呼ぶ場合もあります)の岩窟簿になります。最初の発見は18世紀にさかのぼるといわれ、王家の谷の岩窟墓の発掘調査の対象の中でも、もっとも長く調査がおこなわれている王の墓のひとつです。

ラメセスの語源は、古代エジプトのラーメスという言葉から来ているという説が有力で、「ラーの創りし者」といった意味合いを持ちます。ラメセス7世は、古代エジプトの時代でいうと、新王国時代の第20王朝において、起源前1133年~1126年頃に王を務めた人物である、とされています。

 

KV1からKV7まではラメセス関係者の墓が続く

また、KV2がラメセス4世、KV3がラメセス3世の王子、KV4がラメセス11世、といったように、KV1からKV7までは、同じラメセスの名前を持つ王の調査がおこなわれています。これらは、ツタンカーメンの岩窟墓の写真を独占的に撮ったとされているハリー・バートン氏の記録でも報告されており、中には古代エジプトから伝承されてきたものの、整理も学術調査もおこなわれないまま近代に至っている墓も存在しています。

近代になって、これらはKV番号を付与されて、体系的かつ学術的に世の中に知られるようになりました。全貌の解明は未だされておらず、学術調査は現在も継続しておこなわれています。結果として、KV番号の付与は、王家の墓の岩窟墓の存在や、作られた年代、葬られている王の名前などを、世間に知らしめることに大きく貢献している、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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