室町時代も時代が進んで行くと、後に能や狂言となる猿楽や田楽が流行します。そのなかで「天狗物」と呼ばれる天狗を題材とした謡曲が数多く作られたのでした。 平安時代には今昔物語などの仏教的な説話に登場した天狗は、武家政治の動乱の世を …
天狗というのは平安時代には主に、仏法を学びながらも慢心してしまった修験者や僧がなってしまうものとされていました。それが南北朝から室町時代の動乱の時代になると、大きな力を持ちながらもこの世に無念を抱いて死んだ者が怨霊となり、神通 …
平安時代の天狗、今昔物語に登場する天狗たちは、一定の神通力は持ちながらも、結局は仏法の力で調伏や改心させられてしまう物の怪でした。しかし時代が進んで行くと、天狗はもっと強力な力を持った存在へと進化していきます。そう、大天狗の登 …
平安時代の女性の鬼というと、どうしても怨念や情念が嵩じて鬼となってしまった哀しくも恐ろしい存在を思い浮かべてしまいますが、天狗の場合にはどうも違うようです。 今昔物語の巻20には、女性にまつわる天狗のお話が二つ出て来ますが、そ …
現代の私たちが天狗の姿を思い浮かべるとすると、身長が高く長く高い鼻の赤ら顔で、背中には翼があって空を飛翔し、手には大風を巻き起こす大きな葉団扇(はうちわ)を持ち、一本歯の高下駄をはいている、人間の姿に近いいわゆる「鼻高天狗」で …
今昔物語の巻第20には天狗にまつわる説話が11話収められていますが、その冒頭を飾る第1話は、日本から遥か遠くの天竺(インド)から天竺天狗がやってくるというお話です。 それも天竺から震旦(中国)を通って、海を越えて日本に渡り、な …
平安時代、京の都は様々な物の怪や妖怪が現れる不思議な都市でした。貴族たちの華やかな生活の裏で、深い闇が広がっていました。 平安時代には、そんな光と闇の京の都を舞台として様々に優れた物語文学が誕生しますが、そのなかで多くの不思議 …