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ラグナロクとは?北欧神話から垣間見える時代背景

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北欧神話の中の有名なキーワードのひとつであるラグナロクは、いわゆるゲルマン民族の古い言葉を起源としていて、その言語は古北欧語ともいう古ノルド語と呼ばれています。

この言葉は、8世紀~14世紀頃(2世紀~8世紀頃とする文献も存在していますが)に、当時のスカンジナビア人やスウェーデン人、ノルウェー人、アイスランド人などが統一の言語として使っていた、といわれています。

スカンジナビア人が住んでいたというスカンジナビア半島に、現代の大宗教のひとつであるキリスト教が伝来したのは8~12世紀頃だといいますから、ちょうど古ノルド語が統一言語として使用されていた時期と重なります。

宗教の伝来と北欧神話、そしてその代表的なキーワードのひとつであるラグナロクは、どういった因果関係を持っているのでしょうか。

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ベースにあるのはキリスト教以前の伝承

スカンジナビア半島を中心に、いわゆる北欧の地域に古くから伝わる伝承が広い意味での北欧神話となるのですが、厳密にいうと北欧神話とはキリスト教の伝来以前、つまり8世紀よりも前の時代に、その地に住んでいたノース人によって伝承されていた物語を指します。

そのため北欧神話はしばしばスカンジナビア神話とも呼ばれ、同じスカンジナビア半島に伝わる伝承の中でもフィンランド神話とは区別して取り扱われています。

ちなみに8~11世紀頃となるこの時期はヴァイキング時代とも呼ばれており、今も北欧のイメージを形作っているヴァイキングとキリスト教伝来が同時期であることは興味深いところです。

このことからは、海賊のイメージが強いヴァイキングと当時武力をもいとわなかったキリスト教の宣教が、何らかの因果関係、または接点を持っていたことがうかがえます。こういった背景を持ちつつ、ラグナロクというキーワードは生まれたのです。

 

直訳すると「神々の黄昏」

先ほどお話ししたように、北欧神話は古ノルド語という言語で書かれたものなのですが、そこに出てくるラグナロクも古ノルド語であり、直訳すると「神々の黄昏」、「神々の運命」というニュアンスなのだそうです。

神という概念はそもそも運命や黄昏、つまり死を連想させるものとは無縁のはずであり、イメージとしては相反する要素であるはずなのですが、神の「黄昏」や「運命」というキーワードは当時のキリスト教伝来とそこで生まれた軋轢とも関連しているようで、かなり強引な布教活動を展開したキリスト教と個人主義や名誉を重んじるスカンジナビア半島のもとの住民との間の争いを思わせます。

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カテゴリ: その他

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