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青龍と五色の龍。白龍や黒龍とはどう違うの?

青龍

四神とは、古代中国から伝わって来た天と大地の東西南北の4つの方位を司る霊獣(神獣)。東を司るのが「青龍」、西を司るのは「白虎」、北を司るのは「玄武」、南を司るのが「朱雀(すざく)」とされています。

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日本人が親しんでいるのは青龍?

このうち、わたしたち日本人にも最もポピュラーなのは、東の青龍ではないでしょうか。青龍とはすなわち「青い龍」ですが、四神の基となる古代中国の「陰陽五行思想」では、東の方位に対する色は青。
しかしこの青色は本来は緑色で、青龍のまたの名前である「蒼龍(そうりゅう)」の「蒼」という字が草の青さや青く茂る様子を表現するように、青色または蒼色はブルーではなく、緑の植物の色を表しています。

したがって、五行では東方の青龍に対応するのは「木」、季節は草木が芽吹く「春」になります。
また、4つの大地と海を治める「四海龍王」では、青龍は東方の「東海龍王:敖廣(ごうこう)」と言われていて、四海龍王の長兄とされます。

龍には何色の龍がいる?

一般に描かれる龍の姿を見ると、その頭から長い胴体と手足、尻尾まで、緑色の鱗に覆われています。この緑色の龍はつまり青龍で、青龍とは誰もが思い浮かべる龍そのもののことなのです。

龍と言えば、青龍のほかにも赤龍や白龍など別の色を持った龍がいると伝えられています。龍の色と種類にはいくつあるのかというと、5色とか7色とかの説がよく出て来ますが、五行思想からすると本来は5色で、青龍のほかに「赤龍」「黄龍」「白龍」「黒龍」となります。7色説ではこの5色に緑龍(本来の青龍を緑色とすると、それとは別にブルー龍?)と透明龍(光龍)が加わったり、茶色や紫色、橙色が加わったりするのだそうですが、これらの龍の色がどこから来ているのかはよくわかりません。

青龍以外の4色4種類の龍とは

●黄龍
龍の5色説では、黄龍は黄金に輝く龍ともされ他の4色の龍よりもひとつ格上。四神の考え方でも、東西南北の四方の中心を司るもうひとつの霊獣とすることもあり、四神の長とも言われています。中国では5本爪の黄龍は皇帝の龍として、その権威を象徴するものであるとされました。

●赤龍
赤龍は別名を紅龍とも言い、太陽または火山から生まれ出て全身が真っ赤な鱗で覆われており、口からは炎を吐き出すのだそうです。五行説では赤色は南方を指すことから、赤龍は南方を守護する龍ともされていて、四海龍王のうちの「南海龍王:敖欽(ごうきん)」のことだとも言われています。

●白龍
白龍は、天上界にいて天帝に仕えるとされる龍。全身は白い鱗で覆われていて、他の龍よりも空を飛ぶ速度が速いそうです。白色は西方を指すことから、四海龍王では「西海白龍王:敖閏(ごうじゅん)」のことと言われます。ちなみに日本の神社では白龍を祀ることが多いのだそうです。これは古代日本からの白蛇信仰と関わりがあると思えます。

●黒龍
黒龍はその名のとおり全身が真っ黒で、足は後足がなく前足2本だけとされています。その黒い色から、闇を司る龍であり邪悪の化身として描かれることが多く、陰陽としては白龍に相対する龍でもあります。

黒龍は別名を「驪龍(りりょう)」とも言い、「驪龍頷下の珠(りりょうがんかのたま)」という言葉があるように、黒龍の「頷(あご、おとがい)」の下には宝珠があって、危険を冒さなければ手に入らないもののたとえになっています。
ちなみに驪龍の「驪」という漢字は「黒い馬」という意味であり、なぜ龍の名前に黒い馬の字が充てられているのかには、龍の謎のヒントがあるのかも知れません。黒龍は、四海龍王では「北海黒龍王:敖順(ごうじゅん)」のことと言われます。

四神の青龍の話から少し離れてしまいましたが、5色の龍というのは四神の霊獣に置き換わって各方位を守護し、陰陽五行思想に関わりがあるということがおわかりいただけたでしょうか。

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