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四神の霊獣「白虎」の属性とその存在が意味するものとは

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「四神」とは、中国で遥か古代から信じられていた4種類の霊獣(神獣)が、春秋戦国時代(紀元前770年から紀元前221年)に興った陰陽思想と五行思想が結びついた「陰陽五行思想」によって整理されたものです。それによって4種類の霊獣にはそれぞれ、属性や意味付けがされました。

四神は東西南北の宇宙と大地の方角を司っていて、東が「青龍」、西が「白虎」、南は「朱雀」で北は「玄武」となるわけですが、このうちの西の白虎が持つ属性と意味をご紹介することにしましょう。

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明治の詩人、北原白秋は白虎と同じ属性!?

陰陽五行思想では万物を「陰」と「陽」に区分し、また万物の5種類の元素を「火」「水」「木」「金」「土」として様々な物や事を5種類に区分します。ちなみに方位では東西南北に中央を加え5種類となり、四神とは別に中央は「黄龍」または「麒麟」という霊獣が司るという考え方があります。

さて西の方位の白虎ですが、元素(五行)としては「金」になります。金とは金属すべてという意味です。色はもちろん「白」。季節は「秋」で、これは旧暦ですから春は1月から始まり、秋は7月、8月、9月です。

明治時代の詩人で童謡の作詞家としても著名な北原白秋の「白秋」という名前は、まさにこの白と秋から採られたのがよく知られていますが、白秋とは人生を四季に置き換えた場合の熟年期を指しています。

 

白虎と同体の神は何とも恐ろしい姿をしている

日本で一般にはあまり知られていないと思いますが、方位や季節の神様というと中国には「五佐」という考え方があり、これは「五帝」を補佐する神々というものです。五帝とは古代中国の5人の皇帝ということですが、どの皇帝なのかには諸説があって、中国神話に登場する伝説上の皇帝「伏羲(ふくぎ)」や「神農(しんのう)」、中国を統治した最初の皇帝という伝説上の「黄帝」などが充てられています。

この5人の皇帝を補佐する五佐のうち西の方位を司るとされるのが、やはり五帝のひとりに数えられ黄帝の息子である「少昊(しょうこう)」の子、または弟といわれる「蓐収(じょくしゅう)」です。この蓐収は四神の金属を治める金神であり、秋の神、収穫の神と言われ白虎と同じともされているのです。その姿は人面白髪で虎の爪があり、手には鉞(まさかり)を持つという、何とも恐ろしい姿をしているのだそうです。

これは中国神話で崑崙之丘の洞窟に住んで西の方位を司り、すべての女仙(女性の仙人)を統べるという「西王母(せいおうぼ)」が死を司る死神としての性格を持っていたことから、同じく蓐収も死神の性格を持っていて、このような恐ろしい姿がイメージされたと言われています。ちなみに西王母は人頭獣身の鬼神で、虎の歯を持っていたそうです。

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