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写真は本物?サン・ジェルマン伯爵生存説とは

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中世ヨーロッパ、ルイ15世の時代のフランスで、「決して年をとらない人物」として後世に名を残すことになったサン・ジェルマン伯爵は、現代におけるニューエイジ思想や、19世紀アメリカにおいて、神智学の大家として活動したヘレナ・ブラヴァツキー女史に、高い評価を与えられています。彼らの主張によると、「サン・ジェルマン伯爵は、今も生きている」、とのことです。

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ニューエイジ思想における「生きている」ということ

ニューエイジ思想や神智学は、「古代の智慧」や「根源的な叡智」への回帰を目指している、とされていますが、これらの思想における「生きていること」とは、サン・ジェルマン伯爵が研究していた錬金術における「生命のエリクシール(=いのちの根源)」が、脈々と存在し続けている、ということを指している、と解釈できます。

一説によると、「19世紀以降に目撃されているサン・ジェルマン伯爵は、亡霊である」、ともいわれていますが、そもそも霊的な存在が物質的に死滅することはない、という前提で語られているため、現代の科学的な地平における「生きていること=死んでいないこと」とは、まったく別の概念である、ともいえそうです。

 

精神世界と心霊現象

ニューエイジ思想や神智学、それにサン・ジェルマン伯爵が突き詰めたとされる錬金術は、いわば「現代の科学万能主義、物質至上主義の対極にある思想である」、と位置づけることができます。このことは、心霊現象や超能力といった、いわゆるオカルト的な考え方にも通じるものがあります。

中世ヨーロッパの錬金術には、どこか胡散臭い部分があり、懐疑的な見方がされることが多いのですが、現代におけるオカルトも、同じようなものとして捉えられがちです。思想や概念が一定数以上の支持を得た場合、かならずアンチ思想が発生するものなのですが、そういった意味で、テクノロジー至上主義が生み出した、必然的な概念である、と考えられます。

 

着地することがない論争

一方が物質至上主義、つまり「科学の世界で立証しうるものを唯一のよりどころとする」という考え方であり、もう一方が「精神世界や神秘主義を重んじる」という考え方である以上、両者の対立の象徴的な存在であるサン・ジェルマン伯爵生存説の真偽は、簡単には着地することのない論争である、ともいえます。

前述のヘレナ・ブラヴァツキー女史は、18世紀に死んだはずのサン・ジェルマン伯爵と一緒に写真に撮られたこともあるようですが、写真という物証が存在しているならば、いつの日か、科学が霊的な謎を解明する日が来るかもしれません。

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カテゴリ: その他

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