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インド洋を巡る攻防!レムリア大陸存在説vs大陸移動説

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19世紀に唱えられていた、「約5,000万年前、インド洋にレムリア大陸が存在していて、現在マダガスカルに限定的に存在している霊長類であるキツネザルは、陸地を通ってインドにも移動し、存在していた」という説は、20世紀にはいって「大陸移動説」が登場して以降は、大陸存在説に否定的な論調が増加し、今のところレムリア大陸が存在したという有力な新学説は登場していません。レムリア大陸存在説は、今後どのように推移していくのでしょうか。

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大陸は年数センチ移動している!

大陸移動説は、プレートテクトニクス理論という、地球の構成要素である地殻の一部が、絶えず移動や形状変更を繰り返している、という説です。1980年以降には、人工衛星や電波星を使用したVLBIという測量技術が発達し(Very Long Baseline Interferometryの略語で、日本語では「超長基線電波干渉法」と呼ばれています)、実際に大陸に起こっている、年に数センチという単位での移動を実測することに成功していて、大陸移動説やプレートテクトニクス理論は検証され、事実として裏付けられているようです。ただし、生物学的分布が、すべてこの「大陸移動説」によって物理的に立証出来きっているとはいえず、レムリア大陸存在の可能性も、今後の検証次第では復活することもありうる、と考えられます。

 

東南アジアやインドネシアにも生息する原猿類

マダガスカルに住むキツネザルの近縁の原猿類(厳密には曲鼻猿亜目と呼ばれています)は、アフリカ中部や東南アジアはマレー半島、それにインドネシアにも生息しています。その他の地域では生息を確認されていません。このような生物の分布を、学術的には「隔離分布」と呼んでいるのですが、レムリア大陸存在の仮説化の背景として、こういった事実も存在していました。この事実についても、先に述べた大陸移動説で説明できるようなのですが、それにしても、ある生物の種類が、局所的にしか存在していないことは事実であり、このことを説明するための根拠としては、大陸移動説だけでは不十分、という見方もできます。

 

全否定するのは時期尚早?

そういった意味で、大陸存在説も、もう少し掘り下げて調査する価値は、完全には消滅していないのではないか、とも考えられます。また、まったく別の視点から、レムリア大陸の存在を提唱している説も存在しています(他の伝説の大陸である、ムー大陸とレムリア大陸を同一視している、または時系列でつなぐような説です)。レムリア大陸存在説の真偽の判定には、もう少し時間がかかりそうです。

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カテゴリ: その他

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