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座敷わらしは神様?それとも妖怪?(1)小さな神様伝説

座敷わらし

 

座敷わらしは、住み着いている家を護って栄えさせ、豊かにしてくれる存在だとされていますが、それでは座敷わらしとは何なのでしょうか。
座敷わらしは、神様とも精霊とも妖怪とも言われています。もともと日本では神様と妖怪との区別はそれほど厳密ではなく、精霊というのも妖怪や妖精あるいは死んだものの霊魂を示す場合もあって、その境界ははっきりとしてはいません。
西洋では、精霊(スピリット)とは万物に宿る精(霊)であり、そのなかでも自然物の精霊を妖精(フェアリー)としています。一神教のキリスト教の世界では、神と精霊や妖精とははっきり区分されていて、また妖怪は魔物であり悪いものとされています。
しかし日本では八百万(やおよろず)の神がいて、すべてのものには神様が宿っていますから、神様も精霊も妖怪も境目のない存在であると言えるかも知れません。

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座敷わらしと小さな神様

座敷わらしは、主に小さな子供の姿であると言われています。
この「小さい」ということと「子供の姿」であるということに、座敷わらしが何なのかのヒントが隠されているようです。
日本には古代から、小さな神様や普通の人間とは違うチカラを持った小さな者の存在が言われてきました。

古くは、「古事記」や「日本書紀」に登場する「少名毘古那(すくなひこな)」という神様がいます。「スクナヒコナ」という名前は、小さな(スク)大地の(ナ)男の(ヒコ)神様という意味ですが、この神様は出雲の大国主命(おおくにぬしのみこと)が国造りをするときに、波の彼方から天乃羅摩船(あめのかがみのふね)に乗ってやって来て、国造りを手伝ったと言われています。

また少名毘古那は、おとぎ話の「一寸法師」の源流とも言われていて、大きなチカラを持った“小さな子”の伝説の大もととも考えられています。
日本のおとぎ話の世界では、この一寸法師をはじめ「竹取物語」のかぐや姫も竹のなかから見つかったときには小さな女の子であり、瓜から生まれた「瓜子姫(うりこひめ)」という物語もあります。

 

 

日本列島に残る小人伝説

小さな人と言うと、日本列島には古代から小人伝説が遺されていました。
邪馬台国のことが記された「魏志倭人伝」には、「侏儒国(しゅじゅこく)」という名前が出てきます。女王国の東へ海を渡って四千里あまりに侏儒国があって、その国の人はみな身長が90cmから120cmなのだそうです。

また、アイヌの伝承には、「コロポックル」という小人伝説があります。コロポックルは「蕗(ふき)の葉の下の人」という意味で、彼らは背が低く動きが素早く、漁に巧みで、蕗の葉で葺いた竪穴に住んでいたとされています。コロポックルは現代のファンタジー作品などでは小さな妖精のように描かれていますが、日本列島ではこのコロポックルのように、遥か昔の縄文時代から小さな人がいたという記憶や伝説が遺されてきたのかも知れません。

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