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座敷わらしは神様?それとも妖怪?(3)童子は富みの象徴!?

座敷わらし

 

座敷わらしが住む家は富み栄え、いなくなるとその家は没落すると言われています。
つまり座敷わらしは、富みをもたらす小さな子供というわけです。
それではどうして、座敷わらしという小さな子供=童子(わらし)が富みをもたらすのでしょうか?
「富み」と「童子」というキーワードで言うと、座敷わらしとは直接関係はないのですが、こんな伝説があります。

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俵藤太が龍宮でもらった童子

別の龍の伝説についての記事でご紹介したことがあるのですが、俵藤太の百足退治というお話があります。
このお話は、琵琶湖の龍宮に棲む龍のために、俵藤太(藤原秀郷)という平安時代の武将が百足を退治したというものですが、それによって俵藤太は龍から10種の宝物を貰います。この10種の宝物は太刀や鎧甲(よろいかぶと)、梵鐘や旗、砂金袋、米が無くならない米俵など様々ですが、そのなかに童子というものがあります。

 
この童子とは、「如意童子」「心得童子」と呼ばれるもので、伝承では「龍二郎」と「龍八」という名前であったとか、「龍太郎」と「龍次郎」という2人であったとか、とにかく2人の童子であったそうです。如意童子・心得童子とは、何かを命じなくても主人の心の中を知り、それをかなえたり用をたしたりしてくれる存在なのだそうです。つまり、仏教において密教の高僧や修験道の行者が使役する神霊や鬼神である「護法童子」や、陰陽師が使う「式神」と同じものだと言えます。

 
また龍が持つと言われる、何でも願いを叶える宝物「如意宝珠」が童子の姿になったものとも言われています。
このように龍から贈られた10種のなかで、この童子という宝物は主人の願いを叶えてくれるものだったのです。

 

 

童子は富みをもたらす象徴でもあった??

昔話の「一寸法師」では、身長が3センチしかない小さな童子である一寸法師は、鬼を退治して鬼が持っていた「打出の小槌」を手に入れ、自分の身体を大きくするとともに、小槌を振って金銀を出して栄えます。

 
また「龍宮童子」という昔話では、いつも水の中に薪などを投げ入れていた貧しい男(またはお爺さん)が龍宮に贈り物をしたとして招かれ、お土産に醜い童子をもらって帰ります。その童子がいる間は家が裕福になるのですが、童子が去ると元の貧乏に戻ってしまいます。龍宮童子の昔話のなかには、その醜い童子の身体から米や砂金がぽろぽろ出てきたというお話もあるそうです。
このお話などは童子がいる間は家が富み栄え、いなくなると没落するという、まさに座敷わらしとおなじシチュエーションですね。

 
このように、昔話や伝説には富みをもたらす童子が登場し、座敷わらしの伝承とつながることが指摘されています。富みをもたらし豊かにしてくれる童子が存在するということが、日本人の伝承や記憶、もしかしたら心の中の願いに刻まれていたのかも知れません。

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