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ウロボロス:古代ギリシャの哲学の概念に存在する特異なドラゴン

第3チャクラ
 
ドラゴンのキャラクターは、世界中で親しまれているものですが、中には概念的なものとして描かれているものもあり、ドラゴンのキャラクターの人気を考えると、案外知られていない存在も結構あります。そんなドラゴンの伝承の中のひとつ、ウロボロスをご紹介します。

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ウロボロスの発祥

ウロボロスというドラゴンは、古代ギリシャのみならず、アステカ文明、エジプト、中国、インド、さらにはネイティブ・アメリカンの中にも同じような概念を見つけることができます。この現象は、古代オリエントとエジプトの文明が融合したヘレニズムの影響があったともいわれていますが、語源が古代ギリシャ語のドラコーン、ウーロボロス(「尾を飲み込む」の意味)であることから、ギリシャ発祥ではないかといわれています。

 

ウロボロスの象徴的な姿

ウロボロスは、非常にユニークな姿で各国に伝えられています。もともとの意味のとおり、「へびまたはドラゴンが、自分の尾を口にくわえて円状になっている様子」が描かれています。これらは、各国のタッチの異なる絵において、同じモチーフで表現されています。バリエーションとして、1匹で円を作っているものと、2匹が絡み合って円を作っているものなどがありますが、見たときに受ける印象としてはあくまでも「円」であり、何らかの共通した意味を汲み取ることができます。

 

表すものは循環性や永続性

ウロボロスの円が象徴的にあらわしている概念、それは「循環性や永続性」といわれています。もともと各文明では「世界はひとつ」といった概念や、「宇宙とのつながり」、「永続的に続く未来(時間的な概念を含む)」といった概念を持っていました。これらの概念を表現する際に、奇しくも複数の国や文明が、モチーフとしてドラゴンを使用している、ということです。

宗教的な意味においても、キリスト教やヒンドゥー教といった異なる宗教において、同じ世界観を持ってウロボロスが表現されていることは、人間の普遍的な思いや概念をあらわしているようで、注目に値します。スイスの有名な心理学者ユングは、「人間精神の元型(「元の形」をあらわす「原型」とは意味が異なり、「夢や無意識を生み出す源泉となるもの」という意味合いです)」との定義を発表しています。

自分自身を食べて「終わりのない、無限なるもの、完全なるもの」といったイメージを象徴するウロボロスは、無限大のマークの元にもなっています。「不老不死や人間生活の永続といった、人間の普遍的な欲求は、世界中の多くの文明社会に支持された」、ということですね。

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カテゴリ: その他

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