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天狗たちが集う京都。その理由には京都の地理的特性が関係していた

神社
 
日本で天狗のメッカはどこ??と言ったら、それはやはり京都ということになるでしょうか。何しろ「日本八天狗」と言われる8人の大天狗のうち、3人までもが京都に関わり合いが深いのです。

それではなぜ京都が天狗のメッカなのでしょうか。もちろん平安時代より明治維新まで、京が日本の都であったことが大きな理由です。天皇の御所があり貴族文化があり、仏教の中心地であり続けたことから、それら都の文化の裏側で活躍する天狗や鬼といった妖怪たちにとっても京は都でもあり、多くの伝説や物語も遺されてきました。「都市伝説」という言葉は現代、それもほんの25年ほど前ぐらいから言われ始めたジャンルですが、京都には1200年もの昔から都市伝説があったと言っても良いのかも知れません。

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しかし、京の都の都市伝説のなかに生き続けて来た妖しいものたちのなかで、天狗のメッカということに限って言えば、京都の地理的特性も大きく影響していたのではないでしょうか。

 

山々に囲まれた都だからこそ、天狗も降りて来た

京都市の地図と言えば、北と東西は山に囲まれ、南には開けている地形を思い浮かべることができます。東京方面から新幹線で京都に行くと、小高い山を東山トンネルで抜けていきなり市街地へと入って行き、京都駅は目の前です。

盆地である京都は、風水で言う「四神相応(ししんそうおう)」に基づき、北は玄武(山や丘陵)、東は青龍(豊かな川)、西は白虎(大きな道)、南は朱雀(平野や海)に囲まれた都市として造営されたと言われています。また京都には、大きな「龍脈」(山伝いに地中に流れる気のエネルギーの道)が、何本も流れているともされます。

このように山に囲まれ、エネルギーに満ちた都だからこそ、天狗も降りて来たのかも知れません。

 

神聖な山々と天狗の住処

京都を囲む山々には、神道や仏教に関わりの深い神聖な山が数多くあります。特にそのなかでも比較的高い山といえば、北西にある「愛宕山」標高924m、北の「貴船山」は699mで「鞍馬山」は584m、そして北東の「比叡山」は848m。これら京の都の北方にそびえる山のうち貴船山以外の3つの山が、実は3人の大天狗に関わる山々なのです。

ちなみに貴船山は、縁切りの神で呪詛神でもある貴船明神の棲む山で、丑の刻(午前2時)に貴船神社に参拝して願掛けを行う「丑の刻参り」でも有名です。

その貴船山以外の3つの山、愛宕山には「愛宕山太郎坊」という天狗が棲み、鞍馬山には「鞍馬山僧正坊」、そして比叡山にはいまは棲んでいないのですが「比良山治朗坊」という大天狗がいたとされ、これらが日本の八天狗のうちの三天狗でした。日本の天狗を統べる八天狗のうちの三天狗がいる京の山こそ、天狗の都であった言えるでしょう。

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