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シュメール神話の天地創造とアヌンナキの神々

不思議体験
 
人類最古の都市文明シュメールの「シュメール神話」と、そこに登場する神々「アヌンナキ」とはどのようなものだったのでしょうか。

アヌンナキという名称は、50柱の偉大な神々という意味の「アヌンナ(Annuna)」と小さな神々という意味の「イギギ(Igigi)」という言葉が合わさったものと説明されることがありますが、「アヌンナ」とは「アヌ」の子孫たちという意味であり、その「アヌ」とは天空の神「アン」のことです。

ちなみに「アヌ」はシュメール語とは異なるセム語族系のアッカド語での呼び名です。バビロニアの北にある都市アガデに住むアッカド人は、シュメール人の都市国家と友好関係にありましたが、アッカド王のサルゴンはその頃統一したばかりのシュメールを攻めて統合し、紀元前2,350年にアッカド帝国を成立させました。

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このシュメール語の天空の神「アン」の子孫たち「アヌンナ」に、地上の神を意味する言葉「キ」を合わせた名称が「アヌンナキ」で、つまりアヌンナキとは「地上に降りた天空の神の子孫たち」という意味になるということでしょうか。

 

シュメールの天地創造物語

このアヌンナキという名称の意味については、シュメール神話での神々による天地創造の物語を見る必要があります。

シュメール神話では、初めにあったのは原初の女神ナンムであったとされます。ナンムは海の女神で、すべての神々の母とされる存在です。ちなみにシュメールの楔形文字ではナンムと海はイコールになるそうです。

この原初の海が、天と地が結合する宇宙の山(宇宙の塊)を生みました。この宇宙の山のうち、天の神はアンで男神、地の神はキで女神。アンとキは結ばれてエンリルを生みます。

エンリルは大気を司る男神で、この神は天と地を分離します。すると、天は父であるアンが運び去って行き、地は母であるキが、そして大気はエンリルが運び去りました。地と大気は結合し大気のある地上となり、人間とその文明が創造される基盤となったのです。

 

地上と冥界を審判し、運命を定める7柱の神々

シュメールには二千もの神々がいるとされますが、大気を司る神エンリルは最高神とされ、このエンリルをはじめ7柱の神々(シュメールの七大神)がアヌンナキだと言われています。

その神々とはアンとエンリルのほかは、アブズ(深淵)を司る知恵の神エンキ、太陽の神ウトゥ、月の神ナンナ、戦いの神イナンナ、大地の神ニンフルサグ。この7柱の神々は「地上と冥界の審判者」「運命を定める神々」として、最も重要視されました。

このなかに天地創造神話でのアンの兄妹でエンリルの母である地の神キがいないのが不思議ですが、シュメールでキを信仰していた形跡が見つかっていないことから、なんらかの理由で七大神としてのアヌンナキから外されたのかも知れません。

ちなみに古事記・日本書紀に語られる日本の神話で、日本列島と神々を生みだしたイザナギとイザナミの兄妹のうち、イザナミは死んで黄泉の国に閉ざされてしまう物語とどこか似通っているのかも知れません。

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