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ノアの大洪水の謎:旧約聖書創世記の第6章から第9章に記される神が起こした大洪水

ノアの方舟

1. はじめに

ユダヤ教徒やキリスト教徒でなくてもノアの大洪水の話を知っています。ところが創世記を読むと大洪水に先立つ段で、神の子らが人の娘の美しいのを見て妻に娶った云々という記述に出会います。しかし大洪水との関係が全くわかりません。これに続く大洪水の物語では、洪水の規模のあまりの大きさに圧倒され、現実にこの規模での洪水が起きたとは思えなくなります。本当はどうなのでしょう。
 

 

2.旧約聖書の記述

2.1 概要の紹介

創世記の第6章から第9章は神が起こした大洪水についての記述です。

 

6章 ノアへの指示

冒頭に次の不思議な記述があります。すなわち、神の子らが地球の娘と結ばれて子が生まれるようになったこと、純粋な神の子でない彼らの寿命は長くても120才迄であることなどです。続いて、悪いことばかりを思いはかる人を造ったことを神は悔いていること、洪水を起こして地と共にすべての人を絶やそうと決めたことなどを伝え、ノアには指示した構造の箱舟をつくり、つがいの動物や食料を積み込むことを指示します。

 

7章 洪水の記述

神の指示があった日から7日後(ノアが600才の年の2月17日)に大いなる淵の源はことごとく破れ、天の窓が開き、雨は40日40夜の間、降り注ぎます。鼻で息をするすべてのもの、陸にいたすべてのものは滅び、箱舟にいた者だけが残ります。

 

8章 洪水のあと

淵の源と天の窓は閉ざされて洪水の勢いがとまり、次第に洪水が引いていく状況が描写されます。水が減って7月17日に箱舟はアララテ山にとどまり、10月1日には山々の頂が現れ始め、1月1日に地上の水は枯れ、2月27日には地上は乾きます。ノアが祭壇を築き供物をささげると、神は2度と人の悪のために地を呪うことはしないと約束します。

 

9章 神の祝福

ノアとその子ら(セム・ハム・ヤペテ)の繁栄への神の祝福です。すなわち子孫が地に群がり増えることを願い、すべての動くものと青草とを人の支配に従わせると共に人の食物となると祝福します。

 

 

2.2 解説

(1) 神の子らが地球人の娘との接合で子供をもつに至ったことは誰もが避けているようです。神の子らとは何者でしょう。

 
(2) ノアが箱舟に入った後、後ろの戸は主が閉めたと記されています。ここに書かれた主とは誰でしょうか。

 
(3) 洪水が完全に引いて乾いた地面に戻るのに丸一年を要したようです。

 
(4) 『・・・大いなる淵の源は、ことごとく破れ・・・』という記述から、複数の淵のほとんどが破壊したことが洪水の原因のようです。淵とは何かについての記述はありません。

 

 

3. 大洪水物語の源流

19世紀から20世紀にかけて行われたメソポタミア地方の遺跡発掘で掘り出された粘土板文書を解読して様々な事実が判明しました。大洪水物語のノアは、アッカド版の洪水物語ではウトナピシュテムとなっており、その後に発掘されたシュメール時代の粘土板ではジウスドラという名でした。創世記の大洪水物語の原点はシュメールの粘土板にあったのです。

 

 

4. シッチンの大洪水説

ゼカリア・シッチンの著作によって氏の仮説を紹介します。

 

(1) 地球人の生みの親たるアヌンナキ

445000年前、金を求めて地球に飛来した知的生命体(アヌンナキ)は、アフリカ南東部で金を掘り、メソポタミア南部で精練し、火星を経由して故郷星(ニビル)に送っていました。故郷星は太陽系の12番目の惑星で、3,600年周期で太陽を周回します。その軌道は小惑星帯付近で他の惑星の軌道面と交叉します。アヌンナキの一年は地球人の3600年分なので不死のようにみえますが、地球上では故郷星と同じにならずに老けていきます。

 

(2) 地球規模の大洪水の発生

故郷星が太陽系に接近しているため太陽活動が活発になります。太陽系全体が太陽活動に影響されるなか、故郷星の引力によって南極の氷床の滑落が避けられなくなります。これによる大洪水で地球は徹底的に破壊されることから、地球での金採掘活動の終了が決定されます。

 

(3) 大洪水への対応

故郷星への帰還を望む者、火星や月に避難する者、地球を周回しながら災害を見守る者、地球人の家族と高山に難を避ける者などに分け、宇宙船センターのあるシッパルの町で避難準備をすすめます。なお、地球人はこの重要な地域へは近づくことができません。

 

(4) 地球人の救済

地球人の救済は不可能です。大洪水は秘密にすることが決められます。

 

(5) ジウスドラへの指示

地球人を創ったエンキは地球人の娘との間にできた息子ジウスドラに箱舟の建造を指示し、息子ニナガルを航海士として箱舟に乗船させます。箱舟には食料や飲料水のほかエンキが採取した動植物の遺伝子も持ち込ませます。箱舟は水中での回転にも耐えられる設計になっています。

 

(6) 大洪水の惨禍

南極の氷床の大規模な滑落で特大の津波が何度も北極に向かって押し寄せます。その後は雨が降り注ぎます。地球上のすべての物が流され、かき混ぜられます。

 

(7) 大洪水の終わりとその後

雨は40日40夜降り続いて止み、水位は徐々に低下します。航海士のニナガルは箱舟をアルラタ山の峰に向かわせます。宇宙船から降りた地球総指揮官エンリルはジウスドラと共にエンキの息子ニナガルを見て最初は怒りますが、後には納得し祝福するのです。その後は、これ迄とは態度を一変させ、神々は人の子に様々な技術や知識を教えます。“アヌンナキの地球”から“地球人の地球”へ移る準備です。なお、南米でも地球人(カインの子孫か)が生き残っていること、採掘しなくても金が露出している地があることなどがエンリルの息子から報告されます。

 

 

5. おわりに

創世記のノアの大洪水物語は空想の話のようです。しかし、3600年周期をもつ惑星Xの存在、太陽系の惑星が特殊な並び方をする時の惑星Xの接近による太陽活動との関係、地球人を創った異星人の存在、異星人と地球人との交接などを総合すると、現実の世界の出来事のように感じられて来ます。

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カテゴリ: その他

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