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人類最古!シュメール文明の始まりとは?楔形文字と謎の言語体系

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人類最古の都市文明とされる「シュメール文明」。世界の四大古代文明のひとつである「メソポタミア文明」の最初期のものであり、人類初めての都市国家を築き、そして人類初めての文字である「シュメール文字(楔形文字)」を発明しました。

中東のチグリス川とユーフラテス川に挟まれた肥沃な地域にこの都市文明が現れたのは、いまから5,500年ほど昔(紀元前3,500年頃)のこと。周辺地域でナイル川流域のエジプト文明が紀元前3,000年頃に、インド北西部のインダス文明が紀元前2,600年頃に始まりますが、それらの古代文明よりもひと足先にシュメールでは文明が栄え始めたことになります。

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このシュメールから伝わる「シュメール神話」に登場するのが、「アヌンナキ」という神々。近年では、アヌンナキは宇宙から地球にやって来た宇宙人だった、人類の祖先はアヌンナキ、あるいは人類を創ったのがアヌンナキ、といったオカルト的な説が言われることもあります。

世界最古の文明とその神話に登場する神々。そこにはどんな謎があるのでしょうか。

 

人類最古のシュメール文明の始まり

シュメール文明の始まりは、地中海の東部沿岸地帯からメソポタミアにかけての「レバント」と呼ばれる一帯に、紀元前1万2,500年から紀元前9,500年にかけて存在した「ナトゥーフ文化」にあります。

日本の縄文時代は紀元前1万4,000頃から始まったとされていますが、同じく中石器時代(亜旧石器時代:旧石器時代から農耕や牧畜が始まる新石器時代につながる時代)のナトゥーフ文化では定住生活が始まり、世界最古といわれるパレスチナの都市エリコ(ジェリコ)が誕生しています。

このナトゥーフ文化から続いてシュメールで新石器革命が始まり、シュメールの都市文明へと繋がっていきます。新石器革命がどうして起こったかについては、最後の氷河期である第四紀氷河期がいまからおよそ1万年前に終わり、それによる気候変動や人口の増加などが要因とされています。ちなみに旧約聖書や世界の神話に登場する大洪水は、この最終氷期の終焉によるものとする説があり、日本では縄文時代に海水面が上昇した「縄文大海進」もこの頃に起こっています。

 

言語系統不明の謎のシュメール人

シュメール人は、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた一帯に多くの都市国家を築いてそこに定住します。各都市にはその都市の神を祀るジッグラトと呼ばれる神殿があり、また各都市の王たちは軍隊を持ち、商業を支配し、都市を統治しました。

このシュメール人が謎の民族とも呼ばれることがあるのは、その言語的な民族系統が現在でも不明なことにあるのかも知れません。紀元前2,600年の楔形文字が解読されたことにより、かつて古代にシュメール語が使われていたことが発見されました。この楔形文字が刻まれた粘土板の出土品は、紀元前3,400年のものまで時代を遡ることができます。

この古代シュメール語は分類上は膠着語というもので、単語の前後に接頭辞や接尾辞を付けることで変化させるものです。日本語もこの膠着語なのですが、シュメール語はその膠着語の分類のなかでも同じ系統と考えられる言語が現在も発見されていません。

シュメール人の都市国家圏には、アラビア半島から北アフリカにかけての地域で話されているセム語を話す人びとも住んでいたとされますが、シュメール語とセム語には系統的な関係はないそうです。つまりシュメール人とは、現在この一帯に住むアラビア人とは異なる系統の言葉を話す人たちだったということになります。

そんなシュメール人とその神話に登場するアヌンナキという神々には、どのような謎があるのでしょうか。

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