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輪廻転生の3つの種類。再生・輪廻・リインカーネーション

輪廻転生

「輪廻転生(りんねてんしょう)」とは、人は死んでそれですべてが終わるのではなく、再び別の誰かに生まれ変わる、ということ。「輪廻」という考え方が古代インドの哲学から発生し、仏教やジャイナ教、ヒンドゥー教などへと受け継がれて行ったように、その考え方は遥か古代から人間の歴史とともにあり、それは現代にもつながっています。

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信じている人は世界中にいある

様々に異なる宗教や社会文化の中で暮らしていても、輪廻転生という考え方やそれを信じる人びとはおそらく世界中にいます。

40ヵ国以上が参加して行われる世界的な調査プロジェクトである「国際社会調査プログラム(ISSP)」の2008年の調査でも、日本では42.1%の人が輪廻転生を信じているという結果が出ていますし、上位20ヵ国にランクされるアジアをはじめとして中南米、欧米、アフリカといった国々の平均でも、30%から40%の人びとが信じているそうです。

 

 

自然のことわりの中で生と死と再生が循環する「再生型」

しかし、それでは輪廻転生とひとくちに言っても、世界中の人びとが皆、同じ考え方やイメージを持っているのかというと、じつは異なる社会や文化、宗教のなかでずいぶんと違うように思われます。同じ日本人でも、人それぞれではないでしょうか。

古代より人間が考えたり信じたりする輪廻転生には、じつはいくつかの類型があるとされています。宗教心理学者の竹倉史人氏によるとそれは大きく「再生型」「輪廻型」「リインカーネーション型」の3つに分類されるそうです。

「再生型」とは簡単にいうと、生命や魂が自然のことわりの中で循環して再生を繰り返すという考え方で、アフリカの諸部族や中東の部族、パプアニューギニアやインドネシア、ネイティブアメリカンやオーストラリアの先住民など、古い歴史を持つ小部族社会に多く見られます。その特徴は祖霊信仰と結びついていて、転生して生まれ変わるのが自分の家族や部族内に限られているということだそうです。

 

 

輪廻の輪の中で、カルマによって生と死と再生が流転する「輪廻型」

「輪廻型」は先に触れた古代インドの哲学を起源に持つ考え方で、紀元前1000年から紀元前500年頃にかけて編纂されたバラモン教の聖典「ヴェーダ」やそれに関連する奥義書「ウパニシャッド」、そして仏教やジャイナ教、ヒンドゥー教といったインド起源の宗教によって現代にまで受け継がれています。

輪廻とは、人や動物の生命は回転して元に戻る輪の軌跡のように無限に転生を繰り返すということで、それは生前の行いである「カルマ(業)」の結果によって、自然法則のように生と死が流転して繰り返されます。生と死と再生を繰り返す輪廻は人にとっての苦行であり、そこからその輪廻から抜け出すための「解脱(げだつ)」を目指すわけです。

「再生型」との大きな違いは、輪廻による生と死と再生が流転して行われることから、どこに生まれ変わるかがわからないということです。

 

 

再生を繰り返すことによって霊魂が進化する「リインカーネーション型」

「リインカーネーション型」は、19世紀になってフランスの社会主義や心霊主義から生まれた思想で、人類が直線的に進歩するという観念から出て来たものです。

この考え方は、自然のことわりのなかで循環する「再生型」や輪廻のなかで流転する「輪廻型」とは異なり、不死の霊魂が再生を繰り返すことにより進化して、究極的には神に近い完成(パーフェクション)を目指すというもので、欧米的かつ近代的な転生の考え方ということが言えます。

このように、輪廻転生の3つの類型にはそれぞれ発生の時代や地域の違いとともに、その特徴や思想も異なっていますが、日本人の輪廻転生に対する考え方には3つの類型がすべて投影されているとも言われているのです。

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