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北の海に棲む謎の巨大怪物!クラーケンは実在するのか

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みなさんは「クラーケン」という怪物をご存知でしょうか。

主に北欧の海に出現する正体不明の巨大な怪物であり、船乗りたちからは”海の魔物”と怖れられ、ひとたびクラーケンが現れたらもう逃れることはできないといいます。船は転覆させられ、乗員たちはすべて飲み込まれて喰われてしまうというのです。

その姿は巨大なタコやイカとして描かれることが多く、この怪物が登場する映画作品でもそのような巨体で現れます。有名なところでは、ジューヌ・ベルヌのSFを原作とした映画「海底二万哩(海底2万マイル)」(1954年)でネモ艦長の潜水艦ノーチラス号が戦うのは巨大なイカであり、近年の映画でも「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007年)に登場するクラーケンは、タコとイカが合体したような巨大な怪物です。

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クラーケンは深海に棲む巨大イカ?

このようなクラーケンのモデルとなったのは、現実に海に棲息する「ダイオウイカ」や「ダイオウホウズキイカ」ではないかといわれています。世界最大級の無脊椎動物であり頭足類として知られるダイオウイカの体長は、大きなものでは18メートルを超え、さらにダイオウホウズキイカは20メートルにも及ぶともされています。

南極海に棲息するダイオウホウズキイカは捕獲される機会が滅多になく、実際に生きて海を泳いでいる姿が観測されたことはないそうです。ダイオウイカの方は、大西洋やハワイ付近の太平洋などで発見され、小笠原諸島付近でも発見されます。こちらも嵐で浜辺に打ち上げられたものが稀に見つかるぐらいだそうですが、2006年に小笠原沖で捕獲され撮影された映像が世界で初めての生きた姿を映したものということです。

しかし本当に、このダイオウイカやダイオウホウズキイカがクラーケンの正体なのでしょうか。ちなみにこれらの巨大イカは深海に棲息する生物で、魚や他のイカなどを捕食し、もちろん人間を襲うことなどありません。

 

18世紀から広く知られるようになったクラーケン

クラーケンが書物に記述され広く知られるようになったのは、じつはそれほど昔のことではなく、18世紀の中頃にノルウェーのベルゲンの司教でデンマークのコペンハーゲン大学の総長代理でもあったエーリク・ポントビダンが、『ノルウェー博物誌』という本の中で紹介してからのことです。

そこに記述されたクラーケンの巨大さや特徴については、また別の記事でご紹介しようと思いますが、触手を持っていることやクラーケンが吐いた墨のようなもので辺りの海が黒く濁ったとされることから、タコのような頭足類の一種かあるいはヒトデの一種とエーリク・ポントビダンは考えていたようです。

巨大タコはともかく巨大ヒトデというのはどうもイメージが湧きませんが、5本の腕や触手のような管足という器官がクラーケンのイメージにつながったのでしょうか。

 

クラーケンの正体は巨大タコなのか?

また、19世紀のフランスの軟体動物学者であるピエール・デニス・ド・モンフォールが、「軟体動物誌」という本で船を襲う巨大なタコの姿を描いた図版を発表します。後にこの巨大タコがクラーケンではないか、と考えられるようになったのかも知れません。

現実に海に棲息する最大のタコは「ミズダコ」で、最も大きなものの体長は9メートル、体重が272キロにもなるそうですが、こちらもさすがに船を襲うほどではありません。

それでは本当のクラーケンとは、どんな巨大怪物だったのでしょうか。その正体は謎に包まれているのですが、別の記事でできるかぎり探ってみたいと思います。

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