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北欧神話を分類する「エッダ」と北欧の独自性

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ラグナロクというキーワードを語るうえで、まずあげられるのは北欧神話であり、その北欧神話の根幹要素が古エッダ、新エッダ、小エッダという文書の存在です。

これらの文書は、基本的には古ノルド語という、8世紀頃から14世紀頃にかけて、ヨーロッパ北方はスカンジナビア半島あたりに住んでいた人々や、その地に入植してきた人々によって主に使われていた言語で記載されています。

この言葉は、古い北欧の言葉であることから、「古北欧語」という別名も持っています。

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エッダは形態別に分類されている

古エッダ、新エッダ、小エッダは、それぞれ発見された年代や、原本が記載された年代などが異なるものではありますが、ラグナロクを含む幹となるようなストーリーや登場人物には、非常に多くの共通点を持っています。

このことは、北欧という地域性によるところもさることながら、エッダ以前には無数に存在していたであろう民話や神話が、キリスト教の登場と、口述による伝承から文書による伝承といったように伝承形態を変えたことから、統合や精査、洗練化が進み、大きな北欧神話伝承のイメージを整えつつ現代に形に至ったということが推測できます。

 

北欧の定義

ちなみに日本では、「北欧」という表現と「北ヨーロッパ」という表現に違いはなく、北欧といえばもっぱら「ヨーロッパ」のイメージが強いものなのですが、北欧神話の世界でいうところの北欧とは厳密にはノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ブリテン諸島、アイスランド、それにバルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)などが該当しています。

逆に言えば、それ以外のヨーロッパの国は北欧神話の世界の範疇外であり、(西欧文化としての類似性があるにせよ)それぞれ別の神話や伝承を持っていると考えられます。

北欧地域で古くから伝わっている伝承が北欧神話なのですが、それらが発見された時期や解析結果判明した作成時期などから、新エッダ・古エッダ・小エッダという分類がなされており、ラグナロクは、それぞれに共通したエピソードの中に見受けられる、とのことです(ラグナロクは、文献によっては「ラグナレク」という表記をすることもあるようです)。

ラグナロクは、直訳すると「神々の運命」、「神々の黄昏」、または「終末」といったネガティブな要素をも含んでいるといわれていて、北欧神話の中でもかなり陰をもって語られているエピソードのひとつである、とのことです。

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カテゴリ: その他

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