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ソロモンの大いなる鍵~悪魔と契約した王のダークサイド

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紀元前1000年頃のイスラエル王国の最後の王であるソロモン王は、その後のイスラエルの命運を分けた、文字通り「イスラエルの父」ともいえる重要な人物です。イスラエルの繁栄と衰退、両面のきっかけを作ったとされる人物であるため、評価も賛否両論といったところです。

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あまりよくない評価の中に、「悪魔と契約した王である」とのものも存在しています。そんなソロモン王のダークサイドともいえる面が、その死後数千年の時を経て、いくつかの文書にまとめられています。それが、『ソロモンの大いなる鍵』と、『ソロモンの小さな鍵』です。

 

作者不明の魔術書?

このふたつの「ソロモンの鍵」という名の文書は、実際にはソロモンが著したものではなく、作者不明の古典的な魔術書である、とされています。むしろこれらの文書は、現代においては「偽ソロモン文書」という書物のひとつのジャンルをも構成していて、文書の題名も、「ゼコルベニ」や「ソロモンの真の鍵」をはじめとして、「知識の鍵」、「秘密の秘密」など、バラエティに富んだタイトルを持っています。

さらにその内容も、書物によって全く異なり、このあたりも作者が複数存在し、著された時代もさまざまであったことを体現している、といえます。これらの文書はほとんどが古写本(古くから伝承されてきている文書を書き写して、後世に残しているもの)であるとされていますが、内容が魔法や悪魔といった、今も明確には解明されていない事象を主に取り扱っていることから、原本は明らかになっていません。

 

書かれたのは近世になってからか

現在伝承されている『ソロモンの大いなる鍵』という書物は、少なくとも17~18世紀頃以降に書かれたものである、とされています。

この文書を最初に編纂したのは、イギリス出身のオカルティスト、サミュエル・リドル・マザースである、といわれています。彼は、中世ヨーロッパの時代に暗躍していたといわれる隠秘学結社、「黄金の夜明け団」の創立メンバーの一人とされ、『ソロモンの大いなる鍵』のほかにも、『術士アブラメリンの聖なる魔術の書』などのオカルティックな著書を遺しています。

これらの文書は「グリモワール」と呼ばれていますが、元の意味は広義において、フランス語でいう「魔術の書物」であり、狭義においては悪魔や精霊を呼び出すための手順や、降霊術などの儀式に必要な魔法円(または魔法陣とも表現されます)、ペンタクルなど(悪魔を呼び出すためのユニークな図形)を指しています。

『ソロモンの大いなる鍵』は、こういったグリモワールの類の元祖である、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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