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現代日本人にとっての霊感と幽霊。霊感がある人が増えている?

霊感

いまの私たちにとって「霊感」と言えば、何か怖いもの、特には幽霊を感じる感覚というのが一般的な共通認識になっています。
そういう意味では、もしかしたら大昔よりも逆に現代の方が、幽霊や霊的なものを身近に感じている人が多いのかも知れません。しかし、そういった幽霊や霊的なものが私たちの身の回りに実は増えているのだとしても、それは昔から伝わる幽霊と果たして同じものなのでしょうか。
幽霊は変化し、霊感は増えているという説があります。今回は、それについて探ってみることにしましょう。

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幽霊から物語がなくなっている

別の記事で紹介しましたが、日本の歴史のなかでは奈良時代末期から平安時代にかけて祟る「怨霊」が現れ、室町時代ごろまでには広く知られるようになり、また亡霊や幽霊も登場して来ます。やがて江戸時代になると歌舞伎や浄瑠璃、落語の噺などで、幽霊を主人公とする怪談話が庶民の間へと広まりました。

 
怨霊にしろ江戸時代の幽霊にしろ、その主人公には生きている間に生じた理不尽な境遇や出来事、非業の死に至る哀しくつらい物語がそれぞれにありました。死んでからもこの世に彷徨い出て、幽霊となった主人公が祟ったり恨みを晴らしたりするなかで、その自分の非業の物語をなんとか他の人にわかってもらおうとするのです。

 
つまり死んでのちも、必ず生きているときの自我や体験が残っていて、その自分の物語を伝えようとするのが幽霊なのです。
しかし、現代の幽霊、特に霊感で感じるという幽霊はどうなのでしょうか。

 

霊感は、幽霊の物語を感じとることはない

現代は、自分には霊感があると信じている人が、昔よりも遥かに多いのだそうです。また幽霊を感じたり、不思議な出来事に出会ったという経験のある人が急増しているそうです。
そういった霊感があるという人たちは、怖い幽霊や霊的なものに対しては当然敏感ですから、感じれば怯え避けようとします。霊感の特徴のひとつは危機察知だという人もいますから、つまり自分に降り掛かる危機と感じてすぐに逃げます。霊感とは危機回避の感覚であるとも言えるのです。

 
変な話ですが、これは幽霊からすれば霊感のある人に自分の存在を察知されても、危機としてすぐに避けられてしまうので、自分の物語を語ることができないわけです。現代の幽霊だからといって、彷徨い出て来た理由や物語がないわけでは決してないのですが、霊感が増えることによって幽霊の物語が伝わるのが減って行く、ということが起こるのだそうです。つまり、物語を語ることのない、ただ怖い幽霊だけが存在していく。

 
これ自体なんとも不思議な話ですが、なんとなく成る程とも思えて来ます。霊感を持っているという人たちが増え、幽霊の物語が減るというのはどういうことなのかは、ここでは探求しきれません。しかし、この世の怪異話や不思議話の軸が幽霊や妖怪などの物語から、都市伝説的な霊感話に移って来ているというのは事実のようです。

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