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(後編)人間はなぜ予知夢を見るのか。夢分析の研究者たち

予知夢

 

夢で見たことが現実のものとなるという「予知夢」や「夢」の研究は、病理学や精神医学、心理学といったさまざまな分野でなされていますが、夢は眠っているとき、つまり無意識の世界において体験しているものであることから、特に心理学の分野での研究がさかんにおこなわれています。

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夢の出現自体に自立性がある

予知夢を含めて、現在でも夢のコントロールの方法は見つかっていません。ただ、既に判明している事実として、夢は「無意識の世界で出現している」、つまり「夢の出現には自律性がある」、ということがあります。夢を見る当人が望む、望まないに関わらず、自律的におこっている、ということです。この自律性の研究こそが、潜在意識の研究、つまり心理学である、ということなのです。

 

 

ユングによる深層心理の研究

19世紀から20世紀にかけて活躍した、スイスの心理学者にして精神科医のカール・グスタフ・ユングは、自らユング心理学を創始するほどの心理学の大家で、現在も第一人者として認識され続けています。ユングは、夢分析を重視していたことでも知られていますが、彼による夢の認識の興味深いところは、「夢は個人的無意識と、集合的無意識(国や人種を問わず、人間が持つ根源的な宗教的概念や、常識といわれる概念を指しています)が、意識の世界に表出したものである」、ととらえていたところです。

 

 

フロイトも夢分析を重視していた

ユングと同時代に活躍したオーストリアの精神分析医であるジークムント・フロイトも、夢分析を重視していた専門家のひとりです。
ただし、ユングとフロイトでは夢の認識の根本的な部分で違いがあり、ユングが先に述べたような「個人または集団的な無意識(=個人的な資質に依存するもの)」に根ざしていると考えたことに対して、フロイトは「絶対的な一律の概念(=万人に共通で適用できる方程式のような存在)」と考えていた、とのことです。

 
この解釈の違いは、現代においても決着はついておらず、予知夢の取り扱いについても、未だ評価が定まっていません。とはいえ予知夢が出現するメカニズムとしては、大きく2つの要因がある、といえそうです。ひとつは脳の補完的な機能によるもの、もうひとつは潜在意識が顕在化したもの、ということです。
しかし、こういった要因で出現した夢が、なぜ現実の出来事となり、かつ体験した際に「既に夢で見たことである」と認識できるのかは、まだまだ脳の機能や潜在意識の研究、つまり心理学や精神医学の分野の研究の必要がありそうです。

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カテゴリ: その他

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