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恐ろしくも美しい。古代から伝わる神聖な刀剣、日本の三霊剣

刀剣伝説

 

刀剣には、常識を超えた不思議なチカラや神性が宿るものがあると言われています。他の武器とは一線を画して、刀剣を神聖視する考え方は古代から世界中にありました。例えばイギリスのアーサー王伝説に登場するエクスカリバーは、岩に刺さって誰も引き抜くことのできない剣であり、これを引き抜いて手にした者は王位が与えられるとされ、アーサーがそれを見事手にするのです。

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日本刀はなぜ美しい?

日本刀の美しさは世界から認められるものですが、なぜ古来より日本人は日本刀を美しく鍛え、磨いて来たのでしょうか。そこには、刀剣に神の存在や人間の心を映し込み、刀剣そのものに神性を感じる日本人の心と文化があったからです。そんな日本の聖なる刀剣の原点と言えるのが「日本三霊剣」と呼ばれる3本の剣です。

 

 

刀と剣の違い

日本三霊剣を紹介する前に、刀剣とひとくちに言われる「刀」と「剣」の違いについてご説明しましょう。
簡単に言うと、「剣」は両刃と言って両サイドに刃がついている真っ直ぐな直剣で、「刀」は片刃のものです。古代に金属器とともに大陸から渡って来たものは、主に剣でした。西洋の刀剣も主流は両刃の剣です。

 
日本では剣はすぐに祭祀用の祭器となり、武器としては刀が用いられるようになります。それは剣が主に突く武器であるのに対し、刀は斬る武器であったからでしょうか。突く武器としては「槍」が発達していきます。刀もはじめは真っ直ぐな直刀でしたが、やがて反りがついた日本独自の「日本刀」となり、武士を象徴する武器となっていきます。ちなみに日本刀に反りがつくのは、奈良時代末から平安時代にかけてと言われています。

 
平安時代に貴族や武士が持っていたのは、「太刀(たち)」と言って刃を下にして腰から下げるものであり、サムライが持っている刀として一般的に知られているのは「打刀(うちがたな)」というもので、太刀よりも短く刃を上にして腰の帯に差します。

 

 

神話に伝わる3本の霊剣

さて日本三霊剣ですが、この3本は古代の剣であり古事記・日本書紀の神話に登場します。

 
天十握剣
1本目は「天十握剣(あめのとつかのつるぎ)」あるいは「天十束剣」と呼ばれ、また「天之尾羽張剣(あめのおはばりのつるぎ)」などとも呼ばれています。

 
「十握剣」というのは、手で握る部分の柄が十握り分(4本の指で10人分)もあるという、とても長い剣だということから来ています。この剣は国造りを行った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が持っていたもので、すべての剣の祖とされています。

 
布都御魂剣
2本目は「布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)」という剣です。この剣は、出雲の国譲り神話で「葦原中国(あしはらのなかつくに=日本のこと)」を譲り受けた建御雷神(たけみかづち)が持っていたもので、建御雷神の分身とされています。ちなみに建御雷神は刀剣の神様であり、相撲の神ともされています。

 
天叢雲剣
3本目は「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」、またの名を「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」です。日本神話で最も著名なこの剣は、素戔男尊(すさのおのみこと)から天照大神(あまてらすおおみかみ)に献上され、天孫降臨神話で瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に下され、後に東征する日本武尊(やまとたける)に渡されます。この剣は天皇の位を象徴する「三種の神器」のひとつとして、現代にまでその実物が伝わっているとされています。

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