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ヘラクレスの塔~アレクサンドリアの大灯台を模した現役の灯台

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世界の七不思議のひとつに数えられているアレクサンドリアの大灯台は、エジプトの第二の都市であるアレクサンドリアに、紀元前300年頃に創建されました。しかし1300年代に起こった地震の影響で倒壊し、その後現地に作られたカーイト・ベイの要塞の資材として使用された後、完全にその姿を消してしまい、現在では残っていません。しかし、紀元前の昔から非常に有名であったアレクサンドリアの大灯台をモデルにした灯台が存在し、なおかつ現在でも現役の灯台として活用し続けられてるというのです。それが、スペインはガリシア州にある、ヘラクレスの塔です。

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アレクサンドロス3世ゆかりの名称

ヘラクレス(ヘーラクレースという表現のほうが、原語に近いようです)というと、アレクサンドロス3世(アレクサンダー大王)の父方の祖先にあたる、ギリシャ神話上のキャラクターのことを指します。またアレクサンドロス3世とは、当時のマケドニア王国の国王であり、エジプトのファラオという称号をも持っていた人物です。そしてアレクサンドリアの大灯台がつくられた、アレクサンドリアという都市の名前の由来にもなっています。そういった意味でも、ヘラクレスの塔はアレクサンドロス3世ゆかりの建造物であるといえそうです。

 

2世紀頃には存在を知られていた

ヘラクレスの塔は、2世紀頃にはその存在を知られていた、とされていますが、ローマ皇帝トラヤヌス(在位98年~117年とされています)の時代に建設されたもの、といわれています(一説によると、それ以前に既に存在していて、トラヤヌスによって再建されたのではないか、ともいわれています)。塔の土台部分に刻まれた碑文から、ルシタニア属州アエミニウム(現在のポルトガルのコインブラに該当します)のガイウス・セウィウス・ルプスという建築家が、ローマ神話で伝えられている、マールスという神に捧げた建造物であることがうかがえます。2世紀時点で灯台として機能していたことから、現存する世界最古の灯台のひとつである、と考えられています。

 

形状がアレクサンドリアの大灯台に酷似している

非常に興味深いことには、ヘラクレスの塔は、高さこそ約55メートルと、アレクサンドリアの大灯台にはおよばない(約130メートルの高さであった、とされています)ものの、四角柱と八角柱の組み合わせに、先端が円柱、という3層構造であることから、アレクサンドリアの大灯台をモデルとしていることがうかがえます。1791年には大規模な改築工事がなされ、21世紀となった今でも、現役の灯台として活躍しています。その歴史的価値から、2009年には、世界遺産登録がなされています。

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カテゴリ: その他

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