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「座敷わらし」は家を護って豊かにしてくれる神様?

座敷わらし

 

「座敷わらし」とは、岩手県を中心として主に東北地方に伝承されている、神様とも精霊とも妖怪ともされているものです。
だいたいは旧家の奥座敷に住んでいると言われていて、その姿はおかっぱ髪やざんぎり頭の赤ら顔の小さな子供で、男の子と女の子の座敷わらしがいるそうです。年齢は5、6歳ぐらいが普通ですが、もっと小さい年齢の子や15歳ぐらいに見える少年少女の場合もあるのだそうです。
座敷わらしの最大の特徴は、その家を護っていて豊かにしてくれる存在なのだということです。座敷わらしがいるうちは、その家は豊かに栄えているのですが、ある日、出て行ってしまうと、その家には悪いことが起きたり没落したこともあったのだとか。

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座敷わらしは自由気ままな神様

それでは、座敷わらしはどうしてその家に住み着いたり、ある日出て行ってしまったりすのでしょうか。その理由は、座敷わらしが人や家を選ぶからなのだそうです。
家を栄えさせ豊かにしてくれるからといって、どんなに座敷わらしに来てほしい住んでほしいと願っても、簡単には来てはくれません。座敷わらしの方からこの家に居たいと思わない限り、住んではくれないのです。また、ある日その家やその家の人が気に入らなくなると出て行ってしまいます。そうするとその家に不幸が訪れてしまうわけですから、ある意味、怖い存在でもあるかも知れません。

 
座敷わらしはとてもいたずら好きで、夜中に大きな物音を立てたり、寝ている人の布団の上に乗ったりと、家の中でおとなしくはしていません。また、捕まえようとするととても強い力を発揮して、大人が数人掛りでも負けてしまい、決して人間に捕まることはないと言われています。
このように座敷わらしは、子供の姿をしていても人間の思うようにはならない自由気ままな存在なのです。

 

 

座敷わらしはどこに住んでいるのか

座敷わらしが全国に知られるようになったのは、日本の民俗学の原点となった柳田國男の「遠野物語」(明治43年)に載せられた民話が紹介されてからです。
遠野物語は岩手県の遠野地方に伝わる伝承を集めたものですが、それによると座敷わらしは富裕の旧家に住んでいて、あるお話では12、3歳ぐらいの少年の姿であったり、また別のお話では女の子の姿であったりしていたそうです。

 
遠野物語のもととなった伝承や民話は、佐々木喜善という人が柳田國男に語ったものですが、その佐々木喜善の研究によると座敷わらしは旧家の奥座敷のほか、蔵に住んでいるものもあり、また遠野小学校で出会ったという話もあります。

 
ちなみに蔵に住む座敷わらしは「蔵ぼっこ/御蔵ぼっこ」または「くらわらし」という名前で呼ばれていて、蔵に籾殻を撒いておくとこの蔵ぼっこが歩いて足跡を残すと言われています。ただ、蔵ぼっこは座敷わらしと異なり、背丈は小さいが全身毛むくじゃらとか髪の毛が長くて全身を被っているといった外見で語られることが多く、人間の姿かたちとは違う妖怪ともされているようです。

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