> >

場違いな工芸品~ギザの大ピラミッドが七不思議のひとつである理由

ギザのピラミッド
 
紀元前2500年頃に建造されたといわれている、エジプトのギザの大ピラミッドは、紀元前2世紀にビザンチウム(現在のトルコのイスタンブール地域)のフィロンによって著された『世界の七つの景観』の中で提唱され、現代においても世界の七不思議のひとつとして知られています。この著書には、他にもバビロンの空中庭園や、エフェソスのアルテミス神殿なども七不思議に数えられていますが、ギザの大ピラミッドは、なぜ世界の七不思議とされたのでしょうか。

スポンサードリンク


 

不思議の意味は「素晴らしいもの」

世界の七不思議を英語に訳すと、「Seven Wonders of the World」となります。このうちの「Wonders」は、もとは「景観」という意味だったのですが、近代のオカルトブームと相まって、「七不思議の対象とされる建造物が、当時の建築技術のレベルを超えていて、物理的に建造が不可能だったのではないか」、という解釈をされ、その結果「景観」が「不思議」と訳されるようになり、現在に至っています。ギザの大ピラミッドについて、現在においても建造の目的や方法が解明されていませんが、紀元前2世紀頃には、既に同じように考えられていたことがわかります。「時代的、物理的に不可能な建造物」は、近代になって「オーパーツ」と呼ばれるようになりました。
 

オーパーツの名付け親アイヴァン・サンダーソン

オーパーツというキーワードは、アメリカの動物学者で超常現象研究家でもあった、アイヴァン・テレンス・サンダーソン氏(1911~1973年)によって名づけられました。氏はスコットランド出身なのですが、後にアメリカに帰化しています。オーパーツというキーワードは、氏によって生み出された後、同じくアメリカの作家、レニ・ノーバーゲン氏の著書によって一般に紹介され、一気に広まりました。オーパーツは、英語の「out-of-place artifacts」の略語であり、直訳すると「場違いな工芸品」という意味になります。つまり、時代や当時の技術レベルにそぐわないと思われる建造物を、オーパーツと呼んでいる、ということです。

 

ギザの大ピラミッドの黄金比

ギザの大ピラミッドが、建造当時の時代を考えると「場違いである」と解釈されている理由はいくつかありますが、中でも代表的なものが「長さと高さの黄金比」です。黄金比とは、「線分を AとBの2つの長さに分割するとき、A:B=A: (A+B) が成立するよう按分して分割したときの比」をいいます。建造物や絵画において、「最も美しい比(安定して見える、または物理的に安定を生み出す)」とされていますが、紀元前2500年もの昔に、黄金比を人工的に作り出すことは困難である、と思われていた中で、ギザの大ピラミッドは、長さと高さが正確に黄金比を示しています。このことが、七不思議=オーパーツであるといわれている大きな理由となっています。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.