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日本で最も有名な伝説の起源は、古代の鬼退治から始まった!

ジンクス
 
日本には昔から数多くの伝説があります。
伝説とは一般的には、ごく普通の社会や生活のなかではあり得ないような不思議な出来事を、その不思議さのままに伝えられた話であると言えます。ですから、それを聞くととても不思議な話ではあるけれど、合理的に解釈されたり実はこんなことだったと種明かしされたりする話は、伝説にはなりません。

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その不思議な出来事のすべてが本当ではないかも知れないが、もしかしたらそのなかに隠された事実や真実があるかも知れない。そんな話が伝説として、長い間語り伝えられていったり多くの人たちに伝わったりするのです。
現代にも都市伝説というものが存在します。都市という名称がついているように、それは不思議なことなどもう起こるはずもない都市=現代の世界にも、実は存在するかも知れない不思議な伝説ということです。

この世の不思議を伝える伝説は、現代にも都市伝説が息づくように、私たちのそばにいつもあって決して消え去ることのないものなのです。

 

日本で最も古くてポピュラーな伝説は「桃太郎と鬼」の物語!?

それでは、日本で最も古い伝説とは何でしょうか?

残念ながら日本全国の古くからある伝説は、どれもその発祥が口伝え=口承伝説ですから、これが最も古いとはなかなか一概には言えません。ですが、日本に書物として残る最古の物語「古事記」と「日本書紀」そして「風土記」から、古代の伝説をうかがい知ることができます。例えば記紀や風土記にある伝説を発端として、現代にまで伝わっている代表的な話に「桃太郎」と「鬼」の物語があります。

桃太郎の昔話は、現代の人でも子どもから大人まで誰もが知っているのではないでしょうか。桃から生まれた桃太郎が、犬と猿とキジを家来にして鬼ヶ島の鬼を退治するというおとぎ話は、室町時代に成立して江戸時代に広まったと言われています。しかしそのもととなる伝説は、古事記の時代にまで遡ることができます。

 

起源がいくつもある桃太郎と鬼の伝説

桃太郎と鬼の伝説のゆかりの地として有名なのは岡山県の吉備地方ですが、実は岡山以外にもその起源やゆかりの地とされる場所が日本の各地にあります。

岡山の桃太郎のもととなった話は、古事記や日本書紀に登場する吉備津彦命(キビツヒコノミコト)と温羅(ウラ)の伝説です。ごく簡単にご紹介すると、温羅とは古代の吉備の国の外からやってきて鬼の城を拠点に吉備地方を支配下に置いた「鬼神」とも言われ、吉備の人々が大和の都に窮状を訴えたため、その当時の崇神天皇が四道将軍の1人の吉備津彦命を派遣して退治させたという話。吉備津彦命が桃太郎に、温羅が鬼のモデルとなったと言われています。

この岡山の伝説以外にも、香川県の女木島を鬼ヶ島としてこれを退治する稚武彦命(ワカタケヒコノミコト、吉備津彦命の弟)の物語。愛知県犬山市の桃太郎神社と桃太郎伝説。岐阜県木曽川(日本ライン)の桃太郎伝説など、各地に桃太郎と鬼退治の伝説が残っており、その地域は20から30ヶ所とも言われています。

吉備津彦命が活躍した崇神天皇の時代が正確にはいつの頃かははっきりしませんが、およそ3世紀から4世紀初めとすると、桃太郎と鬼の伝説は1700年もの長い年月にわたって現代に伝えられた物語であると言えるかも知れません。

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