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錬金術の始まり~古代ギリシャから古代イスラムの錬金術

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錬金術とは、古代ギリシャの賢者、アリストテレスが唱えた「万物は、火と気と水と土の四大要素から成っている」という四元素説から発展して生まれた科学的な概念で、もとは紀元前のエジプトはアレクサンドリア発でイスラム圏に伝わり、12世紀頃にはヨーロッパに伝達され、こんにちいわれている「中世ヨーロッパの錬金術研究」としてその礎が築かれました。

卑金属を貴金属に変えたり、不完全な人間を完全な存在に変えるという不思議なパワーを持つ「賢者の石」の概念が考えられたのは、中世ヨーロッパの時代になってからである、といわれています。

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古代ギリシャの錬金術

1828年、エジプトのテーベというところにあった古代の墓地の遺跡から、ギリシャ語の文字が記されたパピルスが発見されました(専門家の間では、ストックホルムパピルス、またはライデンパピルスといわれています)。このパピルスが作成された年代は正確には特定されていませんが、3世紀頃に作成されたのではないか、という説が有力です。

このパピルスには、金や銀といった貴金属に、別の物資を加えることで増量させるという方法や、貴金属の色を変えるための染色法などが記されていた、といいます。これが後年錬金術に発展する最古の形跡である、といわれています。

4世紀頃には、アレクサンドリアの錬金術師(錬金術を研究し、実際におこなってみせたという錬金術の専門家)として、ゾーシモスやマリアがその名を後世に残すような記録を記しました。しかし、この時点では錬金術に万能性を与えるという「賢者の石」の概念は登場していません。

 

イスラム圏の錬金術

エジプトのアレクサンドリアで生まれた錬金術の原型は、後年イスラム圏にも伝わりました。

古代イスラムでもっとも有名な古代錬金術としては、8世紀頃に活躍した「中世アラビア錬金術の祖」といわれているジャービル・イブン・ハイヤーン(後年の中世ヨーロッパでは、ジャービル・イブン・ハイヤーンの名がラテン語に訳され、ゲベル、またはジーベル、ジャビルなど表記・呼称はいくつか存在しています)がよく知られています。そのほかにもアル・ラーズィーやイブン・スィーナーなど、のちに「錬金術の大家」として知られるようになるイスラムの錬金術師も、この時期に登場しています。

その後錬金術は中世ヨーロッパに伝わり、いよいよ「賢者の石」や」「エリクサー」といった、錬金術の概念の中核を成している存在が登場してくるようになります。

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カテゴリ: その他

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