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不老不死?実在した錬金術師ニコラス・フラメルとは何者か


 
人気のファンタジー作品「ハリーポッター」にも登場している、「実在した」といわれている錬金術師、ニコラス・フラメルは、1330年の誕生以降、その妻と共に600歳以上という驚異的な長寿を継続していた、といわれています。

その秘密こそが、作品のタイトルにもなっている「賢者の石」なのですが、「不老不死」は現代医学の大きな命題になっているだけではなく、人間の普遍的なテーマとして、今も世界的に取り組みが継続されています。不老不死の概念の象徴である「賢者の石」を作成できた錬金術師が、ニコラス・フラメルその人でした。

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錬金術師ではなくパリの出版業者だった?

ニコラス・フラメルは、もともとフランスはパリの出版業者であった、とされています。ただし、他の錬金術師に関する伝承と同じく、賛否両論が存在していて、「ニコラス・フラメルは、実は錬金術には全く関連していなかった」、との説もあります。

ハリーポッター作品にみられるようなニコラス・フラメルのイメージは、17世紀以降のヨーロッパで人為的に作られた創作ではないか、という仮説をもとに調査した例もあります。その結果として、パリの出版業者としてニコラス・フラメルは実在はしていたけれども、錬金術に成功したり、ひいては錬金術に関わったりした証拠はない、と断言する識者も存在しています(否定論者の代表的なひとりには、18世紀の修道士であるヴィランがいます)。

 

秘法書を解読し錬金術の奥義を会得

ともあれ、ニコラス・フラメルに関する「錬金術師としての伝承」が存在し、一定の信者もいることは事実です。伝承によるとニコラス・フラメルは、ギリシャ語やヘブライ語で書かれていたという『アブラハムの書』というカバラ領域の秘法書を異邦人から入手し、1379年には、この書を解読するために、スペインのサンティアゴ・コンポステーラ(キリスト教の三大巡礼地のひとつで、エルサレム、バチカンと並び賞されるという、キリスト教を象徴する聖地のひとつです)へ巡礼に赴いています。

サンティアゴ・コンポステーラでは、アンダルシアの大学にいたというカンシュというユダヤ人の協力を得て、秘法書の解読に成功し、錬金術の奥義を獲得した、といわれています。秘法書の解読には20年以上の歳月を費やしたといわれ、協力者であるカンシュは、解読が完了した時期に死亡してしまった、といわれています。

錬金術師としてのニコラス・フラメルのイメージは、サンティアゴ・コンポステーラへの巡礼によって確立した、と思われます。

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カテゴリ: その他

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