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火星人の想像図がイカかタコのようになっている理由。人型でないのはなぜ?

火星

太陽系にある地球型惑星(惑星の構成要素が岩石や金属であることや、大気の成分に二酸化炭素や酸素が存在していることから、このように呼ばれています)のひとつである火星は、太陽系惑星の中でも位置的に地球に一番近く、古くから生命体の存在可能性が語られている惑星です。
一般的な火星人のイメージといえば、頭が大きくて手足の本数が多いという、いわばタコやイカに似た存在として広く認識されていますが、なぜ火星人がそのようなイメージで定着しているのでしょうか。

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小説の挿絵がきっかけだった

結論から先にお話しますと、1897年のHGウェルズの小説である「宇宙戦争」の挿絵がきっかけだった、という説が有力です。この説が正しければ、次に浮かんでくるのが、「そもそも挿絵のイメージは、どのような発想から出現したのか」という疑問です。

 
これに関しては、確かな証拠はないものの、火星の調査状況から、いくつか根拠としてあげることができます。まず一つ目の根拠には、「火星の運河の存在」があげられます。現在ではすっかり地表が干からびてしまっていて、宇宙写真を見ると「枯れた赤い惑星」のように見える火星ですが、地形から察するに、かつて水が流れた運河のような建造物(現時点では、火星の運河は自然にできたものではなく、建造物と考える説が支配的です)があることがわかっています。
このことから火星人は、地球に人類が誕生するはるか以前に、運河を建設できるくらいの頭脳と技術力を有した生命体だったのではないか、という仮説が立てられました。このため、非常に頭が大きい(つまり脳が大きい)姿が想像されたのです。

 

 

重力や大気の構成要素も関係している

二つ目の根拠には、火星の重力から類推されたのではないか、という説をあげることができます。というのは、火星は地球と比較して重力が弱く、先ほどお話したような大きな頭を支えるための肉体としては、地球上で暮らす人間の肉体ほどには屈強である必要がない、と考えられたのです。
そのため、細くて多くの手足のようなもの、つまりタコやイカといった、海で生活している軟体動物のような姿が想像されました。脊髄や胴体に相当する部位がないことは、「現実にタコやイカがそうである」という根拠に基づいて、火星人の想像図が考えられました。

 
もうひとつ、三つ目の根拠として、大気の構成要素の存在が着目されました。酸素の量が非常に少ないため、呼吸のための酸素吸い込み口は人間よりも多いはず、と考えられたのです。これらの根拠を総合して、あのタコやイカのような挿絵ができあがりました。若干安易な想像のようにも思われますが、今後の火星研究次第では、火星人の想像図のイメージも、変化していくかもしれません。

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カテゴリ: その他

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