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富士山を運んだ?!古の巨人ダイダラボッチの伝承

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古代から日本各地に伝承が遺されている巨人、それが「ダイダラボッチ」です。
巨人といっても、普通の人間より少し背が高いという程度ではありません。伝承に語られた内容やその痕跡から推し量ると、そのスケールはとてつもないものがあります。

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別の記事でもご紹介しましたが、ダイダラボッチの足跡とされていたものからその足の大きさや身長を推測すると、なんと足のサイズは180m、身長は1,000mを超えるのです。
こんなに大きな巨人が日本に存在していたのでしょうか? しかし、その正体は不明なのです。

 

「もののけ姫」に登場する巨人はダイダラボッチ!?

アニメの「もののけ姫」に「シシ神」という神様が登場します。その姿は猪のようでもカモシカのようでもあり、頭には何本もの鹿の角、猿とも人間とも見える顔をしています。

このシシ神は自然を象徴し司る神様だと思われますが、夜になると森や山野を徘徊する巨人へと変身するのです。この巨人こそがダイダラボッチであると、「もののけ姫」では描かれています。

物語ではシシ神=ダイダラボッチは生と死を操り、自らも生死を繰り返す不老不死の存在。本来は穏やかな神なのですが、人間がその不老不死を狙って首を獲ることにより、荒ぶる神となって人間に危害を加えます。つまりダイダラボッチは、その存在を脅かす人間に対しては災害をもたらす、自然神としてこの物語では描かれているのです。

それでは古代から遺されている伝承では、ダイダラボッチとはどんな存在なのでしょうか。

 

富士山を運ぶダイダラボッチ

相模国(神奈川県)を舞台にした伝承では、こんな話が伝わっています。

現在の相模原に、鹿沼と菖蒲沼という沼がありました。どちらも今は埋まってしまいましたが、鹿沼の跡は現在「鹿沼公園」(相模原市中央区鹿沼台)になっていて、白鳥池という池があります。また菖蒲沼の跡には、その痕跡を示す小さな石碑が建っています。この鹿沼と菖蒲沼というのが、ダイダラボッチの足跡だと言うのです。

むかしダイダラボッチが、東には高い山がないので富士山を移そうと背負ってこの辺りにやってきたのですが、あまりにも重たいので腰をおろしてひと休みしました。そして再び立ち上がろうとすると、富士山の重さで背負い縄が切れてしまったのですが、そのとき足を踏ん張ってできたのが鹿沼と菖蒲沼。

あらためて背負い縄を作ろうと藤の蔓(つる)を探したのですが、辺りにはありません。ダイダラボッチは悔しがって地団駄を踏むとジンダラ沼という沼ができ、締めていた褌(ふんどし)を引きずったらフンドシ窪という窪地ができたそうです。

このようにダイダラボッチの伝承は、なんともスケールが大きくてユーモラスものなのです。

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カテゴリ: その他

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