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「死ねない男」サン・ジェルマン伯爵と賢者の石

第3チャクラ
 
中世ヨーロッパ最大の怪人といわれているサン・ジェルマン伯爵は、近年のハリウッド映画のヒットで一躍有名になった「賢者の石」を所有していた、といわれています。賢者の石は、同時代の人々が「実現可能である」と信じていたという錬金術(卑金属を貴金属に変える、という化学技術)の代表的な成果物として知られており、人間を不老不死の存在に変えることができた、といいます。

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死ぬことができず2000歳に?

サン・ジェルマン伯爵が不老不死であることを示す有名なエピソードに、18世紀当時のヨーロッパで活躍していた批評家、ニコラ・シャンフォールとのやりとりがあります。彼は、サン・ジェルマン伯爵の使用人に、「あなたの主人は本当に2000歳なのか」と問うたところ、使用人は「それはわからない、なぜならば自分はまだ300年しかサン・ジェルマンに使えていないからだ」と答えた、といいます。18世紀フランスの著名な哲学者ヴォルテールや、プロイセン(現在のポーランドやドイツの地域にかつてあった王国)の王であったフリードリヒ2世などの人物も、「サン・ジェルマン伯爵は、死ぬことのできない人物であった」、と認めていた、とのことです。

 

食料は賢者の石から作った丸薬

サン・ジェルマン伯爵の不老不死を示す別のエピソードとして、彼自身が「自分は不老不死なので、霊薬以外は口にしない」と公言し、食事をしている姿を見たものはなく、実際に人前では食事をしなかった、といいます。丸薬のようなものを口にしていたという逸話が残っており、この丸薬が、賢者の石を加工して作ったものではないか、といわれています。

錬金術をおこなう者は、当時錬金術師と呼ばれていましたが、サン・ジェルマン伯爵は、不老不死だけではなく、貴金属も大量に所有していたようで、衣服には高価な貴金属が大量にあしらわれていた、とも伝えられています。

 

エリクサーと呼ばれていた賢者の石

錬金術では「精」、つまり「物質が持っている、目に見えない性質のようなもの」を抽出し、別の物質に移し変えることができれば、まったく性質の異なる物質に置き換えることができる、と考えられていました。この「精」にあたるものは「エリクサー」と呼ばれ、後年になって「命のエリクサー」を具現化した石を、「賢者の石」と呼ぶようになったようです。サン・ジェルマン伯爵は、いったいどのようにして、賢者の石を手に入れたのでしょうか。

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カテゴリ: その他

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