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鍵は謎の丸薬にあり?サン・ジェルマン伯爵の命をとどめた錬金術

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中世ヨーロッパで化学技術として捉えられていた錬金術は、「人間に魂があるように、物質にはエリクサー(=性質や命といった無形の存在)があり、これを抽出して別の物質に移植すれば、物質自体を変貌させることができる」という仮説をベースに、さまざまな取り組みをおこなっていたようです。

そんな中で作り出されたという賢者の石は、人間のエリクサー(つまり命そのもの)を凝縮した存在として位置づけられています。サン・ジェルマン伯爵は賢者の石を所有し、食事の替わりに賢者の石から作った丸薬を食べながら不老不死を継続していた、といいます。

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サン・ジェルマン伯爵は賢者の石をどうして手に入れた?

賢者の石から作った丸薬以外は口にしない(パンと麦は食べていた、との説もあります)というサン・ジェルマン伯爵は、賢者の石をどこかから見つけてきたのでしょうか。

真相は不明なのですが、一説によると、「サン・ジェルマン伯爵は、賢者の石の生成方法を知っていた」、といわれています。18世紀に著され、18世紀の錬金術師であるカリオストロという人物が所有していたという錬金術に関する書物には、賢者の石の生成方法が書かれていた、とされていますが、「実はこの書物はサン・ジェルマン伯爵が著したものだ」、ともいわれています。このことから、サン・ジェルマン伯爵は、自前で賢者の石を生み出し続けていたとも推測できますが、確証はありません。

 

錬金術の危うさ

サン・ジェルマン伯爵に限らず、当時の錬金術師には、ある種の「危うさ、胡散臭さ」があった、といわれています。当時の人々は、不老不死を願ってはいたものの、明確には実現できていない錬金術について、錬金術師がいうことを、まったく鵜呑みにしていたわけではなかったようです。

なぜならば、科学または化学であるならば、「仮説と検証、およびその結果の周知共有」というプロセスを踏んで公の概念、常識になっていくものなのですが、どうやら当時の錬金術や錬金術師は、「自称」といった側面が強かったようで、方法を広く公開したり、ノウハウを別の人間に適用したり、といったことが、明確にはおこなわれていなかったからのようです。

このあたり、錬金術および錬金術師は、ある種の危うさ、つまり現代でいう詐欺師のような側面をも備えていました。

 

催眠術も駆使したサン・ジェルマン伯爵

さらにサン・ジェルマン伯爵は、催眠術も駆使していた、という伝承も残っています。こうなってくると、「謎が謎を呼ぶ」という具合で、何が真実で何が虚偽なのかがわからなくなっていきますが、このことは逆に、現在においても、もしかしたら真実かもしれない部分があり、真偽について検証すべき部分がたくさん残っている、ともいえそうです。

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カテゴリ: その他

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