米軍ステルス計画が都市伝説に?「フィラデルフィア計画」:前編
バミューダトライアングルで「航空機や船舶、乗組員が消滅する」といった現象は、アメリカでもさまざまな憶測を呼び、はては非常に規模の大きな都市伝説をも生み出すきっかけとなりました。アメリカの有名な都市伝説に「フィラデルフィア計画」というものがありますが、これはバミューダトライアングル発祥のさまざまな事例がベースになっています。
アメリカの都市伝説「フィラデルフィア計画」
日本には「口裂け女」や「トイレの花子さん」、「小さいおじさん」といったキャラクター物や、「人気アニメやドラマから派生したストーリー」が都市伝説として伝えられていて、インターネットが浸透する社会となる以前から口コミや伝聞で広く流布され、現代ではインターネットやSNSを介して、消滅することなく一定のニーズを保っています。都市伝説の取り扱いは、アメリカにおいても基本的には同様で、心霊現象や不思議現象を中心に、真偽は定かではないものの、ひそかに一般に信じられているような出来事がたくさん存在しています。バミューダトライアングルから派生した規模の大きな都市伝説が、「フィラデルフィア計画」です。
正式名は「レインボー・プロジェクト」だった?
「フィラデルフィア計画」は、現代では広く浸透しているものの、事実なのかどうか、実際におこなわれたのかどうかは、明らかになっていません。正式には「レインボー・プロジェクト」の名称を持っている、といわれていて、プロジェクトの立ち上げは1931年にまでさかのぼる、とのことです。19世紀から20世紀にかけて活躍した発明家、オーストリアのニコラ・テスラ氏が設立したといわれ、このプロジェクトのミッションの中に、「(当時は戦争があったこともあり)敵のレーダーに移らないように、船舶や航空機を活動させる」、現代でいうところの「ステルス化」がありました。このプロジェクトにおいてテスラ氏は「高周波・高電圧を作り出すことで、船体の磁気を消滅させ、結果的にレーダーに映らなくなる」、と考えたようです。
人を乗せた船での実験の結果は……
この仮説を立証するための実験が、第二次世界大戦のさなかの1943年、アメリカはペンシルバニア州のフィラデルフィアで、駆逐艦エルドリッジ号に乗員を乗せた状態で、大規模かつ秘密裏におこなわれたそうです。船体の磁気を消滅させる装置は「テスラコイル」と名づけられ、船内に設置された状態で実験がおこなわれました。その結果、レーダーから消えることには成功しましたが、周囲の海から「正体不明の緑色の光が発生する」といった不可思議な現象が起こり、エルトリッジ号はこの光に覆われてその場所から物理的に姿を消してしまった、ということです。(続く)