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精霊・妖精の本質とは? 水、火、風、地に宿るという精霊伝承

不思議体験
 
精霊や妖精という言葉は、日常的にも使われているほど一般的なのですが、実態として意味や意義を把握して使っている人は少ないのではないでしょうか。古い伝承に端を発している「精霊、妖精」は、現実社会で日常生活を生きる人々の間で、ときにスパイスになったり、ときに戒めになったりして、非常にアクティブに活動し、存在感を示しています。妖精や精霊とは、一体何者なのでしょうか。また、どこからきた概念なのでしょうか。

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もとはアミニズムにさかのぼる妖精・精霊

妖精や精霊の概念は、人類が誕生した頃、つまり石器時代やそれに類する古い時代まで遡ります。当時の原始的な考え方をアミニズムといい、これは「自然界に存在する万物には魂が宿っており、それらを大事に敬ってこそ人間の営みを安定して送ることができる」といった趣旨の概念になります。アミニズムというキーワード自体は、近年になってからイギリスの学者(19世紀に活躍したエドワード・バーネット・タイラー氏の「原始文化」という著書で初めて触れられています)が提唱した考え方なのですが、その起源は人類や動物が誕生したころから根付いている根源的な考え方である、といわれています。

 

錬金術師が説いて広まった

アミニズムで説かれている「万物に魂が宿る」という考え方が、「アミニズム説提唱」よりずっと以前に定着していたことをあらわすひとつの例として、「錬金術における四精霊」があります。四精霊は、英語でいうとエレメント(元素をあらわします)と表現し、17世紀に錬金術(黄金以外の金属を黄金に変える試み、または学説)がさかんになった時期に、「万物に宿る魂(精霊)は、水、火、風、地に大別され、それらが作用して錬金術が実現される」と考えられていました。この時期に精霊の要素は四つに集約され、錬金術以前に世界中で伝わってきた精霊伝承も相まって、「精霊は水、火、風、地に宿る」という説が世界的に広まったのです。

 

「精」という表現が一般的

四大精霊はそれぞれ「水=ウンディーネ、火=サラマンダー、風=シルフ、地=ノーム」と名づけられましたが、これらは「精霊」というよりも、「精」という表現のほうが一般的です。例えば、「アラジンと魔法のランプ」の物語において、ランプの中にいる魔人は「ランプの精」と呼ばれています。四大精霊は元素をあらわす「エレメンタル」といわれるとおり、「万物のベースとなる魂=精霊」といわれています。いろいろな映画や物語、舞台の世界では擬人化されることの多い精霊ですが、その本質は「万物に宿っている魂=本来は実態はなく、人間の思考に中で生き続けているもの」、ということになります。

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カテゴリ: その他

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