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全て天狗の仕業?天狗さらい・天狗笑い・天狗囃子・山神楽・天狗倒し

パワースポット
 
南北朝時代から室町時代、戦国時代と、動乱が続く武家の世の中では天狗は大きな神通力を持った存在として恐れられ、また武将からは戦いの神としても崇められましたが、平和な江戸時代になると天狗は庶民にも身近な存在になっていきます。

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修験道の行者や修験僧だけが足を踏み入れていた霊山や寺社を、庶民が参詣に訪れるようになったことも、そこに棲む天狗を身近に知る理由となったのではないでしょうか。江戸時代の庶民は天狗のご利益にあずかろうとし、また天狗の神通力や彼らが起こす不思議な現象を恐れるようになりました。

そのようななかで「これは天狗の仕業だ!」とされる”天狗が起こす怪異”が、さまざまに伝えられていきます。そんな天狗ならではの怪異を、いくつかご紹介してみましょう。

 

天狗さらい

江戸時代に、天狗が起こす怪異の代表格とされたのが「天狗さらい」です。
ある日突然、人が消えていなくなるというのは古来より起きていた不思議現象で、「神隠し」と呼ばれてきました。神隠しは多くの場合、人間の住む場所から神の領域へと迷い込んだり連れて行かれたりするものですが、そのなかでも天狗さらいは主に子供を天狗がさらって行ってしまう怪異のことを言います。

天狗さらいでさらわれて行った子供は数ヶ月とか数年もの間、行方不明となり、ある日突然に戻って来ます。そして帰って来た子供は、天狗と一緒に空を飛んで日本各地を巡ったといった体験談を話すのです。現代で言えば、宇宙人と接触してUFOに乗せられる未知との遭遇のような話ですが、江戸時代ではこれは天狗の仕業とされました。

また、無事帰ってくれば良いのですが、いなくなったまま帰らない子供もいます。これが天狗の仕業なのか、あるいは人間による人さらいなのかはわかりませんが、江戸時代の多くの庶民はこれも天狗が行ったこととして納得するしかありませんでした。

 

天狗笑い、天狗囃子、山神楽

特にひと気のない山の中で起こる現象ですが、どこからともなく大勢の笑い声が聞こえてきます。これは天狗たちが高笑いしている、「天狗笑い」という怪異です。
その笑い声に対して、無視して行こうとすると更に大きな笑い声が聞こえ、こちらが笑い返すともっと大きな高笑いが響いてくるということです。

また同じように、ひと気のない山の中でお囃子の音が聞こえてくる「天狗囃子」や神楽の音が聞こえる「山神楽」という現象もあります。

どれも周りに人間の姿が見えない山中ですと怖い怪異ですが、直接的に害をなすものではないようです。

 

天狗倒し

山の中を歩いていると、どこかで大きな木を伐り出しているような音が聞こえ、やがてその大木が倒れる音が地響きとともに聞こえてきます。木が倒れた音がしたあたりに行ってみると、不思議とそのようなことがありません。この現象は「天狗倒し」と呼ばれていて、日本各地の天狗が棲むとされる山でよく起こったと言われています。

また、大天狗の「彦山豊前坊」を筆頭に多くの天狗が棲む九州の英彦山では、山の中でふいにものすごい突風が吹いたような大きく激しい音が聞こえることがあり、これは天狗が飛んで来て地上に降りたせいだとして、これも天狗倒しと呼ばれています。

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