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2人の天照大神(アマテラスオオミカミ)日本を作り天皇の祖先となったアマテラスは同一人物?

アマテラス

 

太陽神アポロンや海の神ポセイドンで有名なギリシャ神話や、愛の神キューピッドでおなじみのローマ神話のように、日本にもオリジナルの神話が存在する。日本神話の最も有名な神は、天皇系の祖先であり、太陽を司る女神アマテラスである。

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アマテラス神話

700年頃に成立した日本最古の歴史書「古事記」と「日本書紀」に、おおよそこのような話が書かれている。
世界の始まりのとき、高天原(たかまがはら)という神々が住む天の国に、次々と神が誕生した。

 
別天津神(ことあまつかみ)と、神世七代(かみのよななよ)と呼ばれる17の神々である。神世七代のうち、最後に生まれたのがイザナギ(男神)とイザナミ(女神)であった。
イザナミとイザナギは、高天原から下界に降りて、海の中に日本の国土を造った。

 
イザナギが、体のけがれを洗っていたとき、左目から生まれてきたのがアマテラスである。ちなみに、右目からツキヨミが、鼻からスサノオが生まれた。
アマテラスは太陽の女神となり、高天原を治めた。

 
ある時弟のスサノオが乱暴なふるまいをし、怒ったアマテラスは洞窟の中に隠れてしまう。
太陽神が姿を隠したため大地は闇に覆われ、アマテラスを外に出すために、神々は宴会を開いた。
にぎやかな様子にアマテラスが岩の隙間からそっと顔を出すと、皆でアマテラスを外に連れ出した。すると再び大地は光に包まれた。

 
これが、有名な天岩戸伝説である。
アマテラスの孫であるニニギノミコトは、アマテラスの指示で、天の国から地上に降りて(これを天孫降臨と言う)地上の国を支配した。
この時、鏡と剣と勾玉(三種の神器)を持たされた。「この鏡を私の魂と思って拝むように」とアマテラスは指示したと言う。

 

 

天皇の祖先、最高神としてのアマテラス

ニニギノミコトのひ孫、アマテラスから5代先の子孫が、日本の初代天皇、神武天皇である。日本の皇室の祖先はアマテラスであるとされている。

 
多くの神々の中からなぜアマテラスが祖先と指定されたのか? 女神であるアマテラスを推すことで、女性の天皇の存在を有利にする狙いがあったと言われるが定かではない。
明治時代に、伊勢神宮が日本の最高位の神社であるという決議が出された。これにより、アマテラスは天皇家の祖先であると同時に、日本の最高神となった。

 

 

伊勢神宮に祀られる理由

アマテラスは天照大神となり、三重県の伊勢神宮に祀られている。
しかし、最初から伊勢神宮に祀られたわけではない。天皇家の祖先とされたアマテラスの魂である鏡は、当初皇居に置かれた。

 
疫病などの大きな災害が起きたときに、アマテラスの祟りでは? という懸念が起き、皇居から出されてしまう。紀元前30~70年頃のことである。各地を転々とした後、ようやく伊勢の地に落ち着いたという。
アマテラスは偉大な祖先とされる一方で、強力な力を持つ怨霊とも考えられているのである。

 

 

アマテラスは誰か?卑弥呼とはどんな関係が?

神話に描かれる神としてのアマテラスと、古代日本においては天皇の祖先としてのアマテラス。神話と現実が時にリンクし、アマテラスの存在は神秘的で不思議なものになっている。

 
神話の中に描かれるアマテラスには、モデルとなる人物がいたのではないかと考えられている。日本の歴史上最も有名な女性、卑弥呼である。
中国の歴史書「魏志倭人伝」に登場する倭国の女王、卑弥呼。方や日本の歴史書に登場する女神アマテラス。

 
時代も立場も存在も重なることはない二人だが、女性でありながら古代日本で大きな権力を持ち尊敬を集めた稀有な存在という点でイメージが重なる。
アマテラスの天岩戸のエピソードは、卑弥呼が亡くなったときに起きた日食を描いたものではないかとも言われている。

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