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邪悪?コミカル?精霊ゴブリンのイメージはキリスト教が作ったもの?

第1チャクラ
 
ヨーロッパに伝わる妖精伝承の中で、邪悪な存在、悪魔的な悪意を持った存在として伝わっているのが「精霊ゴブリン」です。「邪悪である」といったダークな性格付けの他に、「ふざけるのが好きで意地悪」といった、コミカルな描かれ方をされている場合もあるようです。ゴブリンは、どのように生まれ、どんな姿をしているものなのでしょうか。

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ゴブリンの由来

「精霊ゴブリン」は、キャラクターとしては前述のとおり、どちらかというと悪のイメージ、悪さをするといったイメージで語られているのですが、その発祥時期は明確にわかっていません。ゴブリンという言葉の由来には諸説ありますが、そのひとつがギリシャ語で子供をあらわす「コバロス」であることから、ギリシャ神話に代表されるようなヨーロッパの神話が著されていた時代ではないか、といわれています。ちなみに神話の時代当時は必ずしも「邪悪な存在」としては描かれておらず、現在解釈されているキャラクターが定着したのは、「キリスト教発祥以降である」、といわれています。

 

キリスト教におけるゴブリンの解釈

「精霊ゴブリン」のキャラクター(邪悪、ふざけるのが好き、等)が定着していった背景には、キリスト教発祥以降の、キリスト教徒による「民間伝承排斥運動」があります。キリスト教発祥以前には、神話や伝承から端を発した数々の信仰(精霊や妖精、自然信仰等)が存在していました。そのような土着信仰の象徴として、「妖精エルフ」や「精霊ゴブリン」が存在していたのですが、キリスト教徒の「民間伝承は、キリスト教の信仰の拡大を妨げる存在である」といった誤った解釈から、多くの民間伝承の象徴である妖精、精霊たちは、「悪魔的な存在」とされてしまったのです。多くの妖精は、その後長い年月の間に本来の姿、性格付けに戻っていったのですが、当時締め付けが強かったとされる「精霊ゴブリン」は、悪魔的な性格付けがそのまま現代まで残っている、といわれています。

 

ゴブリンの姿

ゴブリンの姿の描かれ方はさまざまなのですが、キリスト教による悪魔的な性格付けが色濃く反映された「灰色や緑などの暗い色の皮膚に大きな目、とがった鼻や耳や尻尾をもつ、不気味で醜い姿」がもっとも浸透しているキャラクターではないでしょうか。1970年代に流行したイタリアンホラー映画では、音楽をゴブリンというバンドが担当していましたが、キャラクターとして描かれた姿は、人々が一般的に考えるゴブリンそのものの姿で、映画そのものやキャッチフレーズとともに、アルバムジャケットやゴブリンのキャラクターが、日本でもちょっとしたブームになりました。

現代でもゴブリンをモチーフにしたキャラクターは人々に親しまれていて、ハリーポッターシリーズにも登場したりしています。「精霊ゴブリン」の呼称には、「放浪者」を意味する「ホブ」をつけて「ホブゴブリン」というものもあります。「邪悪というよりも、いたずら好き」といったイメージが一般的になりつつあるようです。

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カテゴリ: その他

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