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森の妖精「トロール」の伝承考察…物がなくなったら妖精のせい?

パワースポット
 
キーワードとしての「森の妖精」という表現は、日常会話の中でも通常に使われています。妖精といてば、ピーターパンに出てくるティンカーベルや、日本においてもコロポックル(もとはアイヌ語だそうです)という小人の妖精の話が存在しています。しかし実際に「森の妖精」や「コロポックル」を見た、といった話はそれほど耳にしません。森の妖精の伝承は、どのように広まっていったのでしょうか。

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北欧の伝承が起源

世界でもっとも有名な「森の妖精の伝承」といえば、北欧の国々の民話に出てくる「トロール」ではないでしょうか。デンマークやフィンランド、アイスランドなど多くの北欧の国々で、森の妖精トロールの伝承は長く語り継がれています。その姿はさまざまに描かれていて、白いひげをはやした老人の姿だったり、一つ目の巨大なモンスターの姿だったり、しっぽが生えていたり、全身毛で覆われた獣のような姿だったりします。このあたり、同じ北欧でもお国柄が異なるせいか、森の妖精の伝承のされ方も非常に違いがあります。

 

ハリーポッターにも引用されていたトロール

ちなみに日本でも人気のハリーポッターシリーズにも森の妖精トロールはとりあげられていて、悪臭を放ち、巨大な体を持つ部族として描かれています。それからフィンランド発では、かつて日本でも人気アニメであったムーミン(原作ではムーミントロールと名づけられていたとのことです)を、森の妖精とはちょっと違った生き物として描いています(しっぽが生えているタイプ)。日本のみならず世界的にも人気のアニメ「となりのトトロ」に出てくるトトロも、その名が示すとおり、トロールの一種として描かれています(巨大で全身毛で覆われている)。このように、北欧から遠く離れたここ日本でも、北欧発の森の妖精トロールのお話は、しっかり伝承されている、といえそうです。

 

妖精たちの性格や影響は?

ところでこのトロール、人間に対してどのような働きや影響を与えるといわれているのでしょうか。これも諸説あり、盗みや略奪をはたらくような悪いキャラクターや、薬草で病を治そうとしたり、困っているところを助けようとしてくれたり、はたまた「何もしない」というキャラクター設定がなされていたりと、非常にバリエーション豊かです。このあたり、人間の「こんなことが起こって欲しい」という願望が反映されていて興味深いところです。トロール伝承は、人間の欲求を可視化したような、いわば「象徴的な存在」であり、森の妖精にさまざまな動きをさせることで、人間の生活を円滑に進めようとする「先人の知恵」のひとつではないか、と思えてなりません。

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カテゴリ: その他

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