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アーサー王伝説の魔法使いマーリンは創作?モデルがいた?

ストーンヘンジ

イギリスにあるストーンヘンジは、紀元前数千年という大昔に着工されたといわれていて、その後数千年の歳月を経て、紀元前1600年頃には、現在の不思議な姿になって、現在に至っている、とされています。

近代になって初めてストーンヘンジを取り上げた人物として、1130年頃、ハンティントンの聖職者ヘンリーがあげられますが、ほぼ同時期に現れたジェフリー・オブ・モンマスという、イングランドのキリスト教聖職者が、ストーンヘンジとアーサー王伝説の関連性について言及しています。

彼は、アーサー王伝説の代表的な語り手のひとりとしても、よく知られることになりました。

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魔法使いマーリンは完全な創作?

ジェフリー・オブ・モンマスが「ブリタニア列王史」という作品の中で、アーサー王周辺の重要キャラクターとして紹介しているのが魔法使いマーリンです。

マーリンは、預言者にしてアーサー王の相談相手、しかし父親が夢魔で、母親が高貴な人間の女性という、数奇な出自を持っていることから、「女性好き」という弱点も抱えており、最期はこの弱点がもとで、女性の魅力に惑わされて現姓から姿を消すという、なんとも人間味のあるキャラクターとして描かれています。

出自のユニーク性から、マーリンは「ジェフリー・オブ・モンマスの作り上げた、完全な創作上のキャラクターである」と見る向きがが大多数なのですが、それでも、アーサー王伝説に独自の色合いを加えていること、さらにはストーンヘンジにつながるようなウェールズの歴史やイメージに貢献していることは、間違いありません。
ジェフリーが創作している部分は多数あるのですが、モデルとなった人物が実在したようです。

 

 

ウェールズのミルディンがモデル?

マーリンのモデルとされる人物は二人存在していて、ひとり目は573年頃にカンブリア(北ブリテン)にいたという武将(一説によると高僧であった、ともいわれています)で、名を「ミルディン」といいます。
彼は、当時カンブリアで勃発したという「アルデリズの戦い」に参加、その後、原因は定かではないものの正気を失ってしまい、野人となったとされています。

この人物は予言者であり、ウェールズでは「ミルディン」と呼ばれていたのですが、ジェフリー・オブ・モンマスが「ブリタニア列王史」に登場させる際に、「ミルディン」のラテン語読みである「マーリン」として紹介した、といわれています。
ふたり目のモデルは、アンブロシウスという少年で、後年聖職者のネンニウスによって著された「ブリトン人の歴史」に登場します。

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