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アレキサンドリアが発祥の地?錬金術と化学のつながり

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稀代の指導者として名高いアレキサンダー大王が率いた伝説の国、マケドニアの代表的な都市であるアレキサンドリアは、今もエジプト第二の都市として、かつての繁栄を継続しています。

中世ヨーロッパで流行し、今もさまざまな形で取り上げられ続けている錬金術は、アレキサンドリアが発祥なのでないか、といわれています。アレキサンドリアに世界最古の図書館があったことや、錬金術の語源が、エジプト語に由来している可能性があることなどが根拠としてあげられていますが、さらに、現代にも続く「化学」という学問の考え方や語源も、錬金術が実はアレキサンドリア発である可能性を示しています。

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化学者=ケミスト

現代の言葉における「化学者」は、英語では「ケミスト(chemist)」と呼ばれています。錬金術師は一般には「アルケミスト(al-chemist)」と呼ばれていますので、違いは先頭の「al」だけです。

アラビア語でアルケミーは、直訳すると「黒い大地」という意味になりますが、もうひとつ、「ケミー(chemy)」の部分には、「金属を変容させる」といった意味もあるそうです。これに、専門家をあらわす「ist」をつけると、「アルケミスト」、つまり錬金術師となり、化学者のほうは「ケミスト」となるわけです。このことから、そもそも化学者の語源に、錬金術思想が関係していた、と考えられます。

アルケミーという言葉が、ギリシャ語をもとにしたという説も存在するのですが、現在使われている化学者という言葉を考えると、アレキサンドリア起源説の信ぴょう性は高い、と思われます(ギリシャ語説でも、アレキサンドリア説と同じく、「黒い」という意味合いも含んでいます。錬金術が鉛を重視していたことからも、何らかのつながりがあることは否めません)。

 

考え方自体はギリシャ発?

このように、錬金術=アルケミーという言葉自体は、現在の化学という言葉と深い親和性を持っていますが、錬金術の技術的なベースとなっている考え方は、ギリシャ哲学である、というのが定説になっています。

古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスは、「万学の祖」ともいえる賢人なのですが、その彼が紀元前300年もの昔の時点で、既に四元素の考え方を提唱しています。彼が提唱した四元素こそ、錬金術の物理的でテクニカルな部分の主要な要素となっています(内訳は、土、水、火、風の四要素です)。錬金術の言葉はアレキサンドリア発、ベースの考え方はギリシャ発、といったところです。

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カテゴリ: その他

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