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レムリア大陸存在説が否定される理由


 
マダカスカル島にのみ生息している霊長類の一種、キツネザルの分布から導き出された仮説である「レムリア大陸存在説」は、19世紀の学者、フィリップ・スクレーター氏と、エルンスト・ヘッケル氏(前者はイギリス、後者はドイツの動物学者)によって唱えられた説で、生物学的な観点から、インド洋にかつて巨大な大陸があり、人類発祥の可能性すらある、とする内容となっています。

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地質学者も後押ししたレムリア大陸存在説

「レムリア大陸があった」とする説の根拠として、キツネザルの分布(マダガスカル島にしか存在しないはずのキツネザルの仲間の化石が、インドでも発見されている)だけではなく、地質学上の観点からも、その可能性が唱えられていました(19世紀当時の説として、インド洋沿岸部の地層の構造が、非常に似通っているため、地続きであった可能性がある、との説明がなされていました)。19世紀時点では、これらの説をベースとして、レムリア大陸存在説が、広く一般的にも信じられていたようです。

 

大陸移動説の出現

ところが20世紀に入り、生物学的な類似や分布を説明する学説として、「大陸移動説」という新たな説が登場します。これは、1912年にドイツの気象学者であるアルフレート・ヴェーゲナー氏が提唱したとされている学説で、別名「大陸漂移説」とも呼ばれています。発表当初から比較的近年まで、なかなか受け入れられることがなかった説なのですが、近年になってプレートテクトニクス理論という説が確立され、「大陸移動説」が実証されたことで、学術的にも認められてきている説である、とのことです。これは、地球上の大陸は、地球の表面上を移動して、位置や形状を変えている、という学説で、物質としての地球を構成している地層が、長い年月をかけて少しずつ変化している、と考える説となっています。

 

大陸の沈没はありえない?

現在主流とされている「大陸移動説」によると、生物分布を説明する仮説として、陸地が海底に沈むという「陸橋説(この考え方が、さまざまな伝説の大陸沈没を説明するための根拠となっていました)」を発生させるために必要な「地球の収縮エネルギー」は、大陸移動説で説明されているアイソスタシー(地殻にかかる荷重と浮力がつりあっているという説で、地殻均衡ともいわれています)の理論上ありえないもの、とされており、学説の変遷に伴って、現在ではレムリア大陸存在の可能性は、かなり低くなっている、といえます。

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カテゴリ: その他

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