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ロドス島の巨像は事実?虚構?存在の真偽を巡る遺跡発見と議論

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現在ギリシャにあるロドス島には、かつてロドス島の巨像という、ギリシャ神話の太陽神へーリオスを模った像があった、とされていて、当時の地中海地域の驚異的な建造物を集めた「世界の七不思議」のひとつに数えられています。「作られたのが紀元前3世紀頃である」とする記録や、後世に描かれた肖像画(厳密には想像画)などから、「実在したのではないか」とされてはいるものの、現在は残骸すら残っていないため、実在したかどうかについての確証は得られていないのが実情です。とはいえ、実在を思わせるような、遺跡や残骸の発見も、何例か存在しています。

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世界の七不思議のうち発見された遺構は5つ

当時提唱された世界の七不思議のうち、ギザの大ピラミッドだけは現在も存在していますが、それ以外の5つ(バビロンの空中庭園、エフェソスのアルテミス神殿、オリンピアのゼウス像、ハリカルナッソスのマウソロス霊廟、アレクサンドリアの大灯台)については、遺構(=建造物があった痕跡)は残されていますので、「七不思議があった」とされる場所に、なんらかの痕跡を見ることができます。しかし、ロドス島の巨像だけは、残骸どころか遺構すら残っていないので、先の述べたとおり、記録から想定される「想像の世界」から抜け出せないでいます。何とか物的証拠をあげようと、ギリシャを中心に長年調査が継続されています。

 

1987年7月、彫刻物の残骸の発見

そんな中で、1987年7月初めに、ロドス島の沖合約700メートル、深さ約52メートルの海底で、石灰岩質の彫刻物の残骸が発見されています。この彫刻物の残骸は、縦160センチ、横180センチ、厚さ85センチという寸法で、重さは約1トンという非常に大きなものでした。形状は、人間の左手のこぶしと思われるもので、発見されたロケーションといい、こぶしの形であることといい、ロドス島の巨像の一部なのではないか、と大きな話題となりました。しかし、その後の調査でも、本当にロドス島の巨像の一部なのかどうかは、判明していません。

 

1990年代以降も偶然の発見は続く

他にも、1999年頃の、ロドス島での道路工事のなかで、先の例と同様に、ロドス島の巨像のこぶしと考えることが可能な(本例では右のこぶしとされています)岩の加工物が発見された、とのことです。ロドス島では、1970年代から、巨像の再建プロジェクトの計画がなされているようなのですが、まだ実現には至っていません。これが実現すれば、断片的に発見されている残骸の調査についても、本格化が進むもの、と思われます。

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カテゴリ: その他

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